晴れて大学生になった私は大学の自由さにびっくりした。 地味だった高校生活が嘘みたいに、私は大学生活をエンジョイしていた。 毎日新しい友達が出来て、もちろん男友達もいっぱい出来て、こんなに楽しくていいのだろうか?と思うほどだった。第一志望の大学には行けなかったけど、これで良かったと思えた。
私は大学では軽音楽部に入るつもりだった。ギターは弾けるので、バンドを組みたかったからだ。しかし友達が女子サッカー部に入部すると言い出したので、付いてきてほしいと言われ無理やりサッカー部主催の新歓パーティーに参加することになった。そこで男子サッカー部のみんなが優しくてかっこいい人たちばかりで、私もサッカー部に入ることを決めた。なんて単純で不純な動機なんだろうと思う。 私は運動音痴なのでマネージャーをしようと思った。もちろん男子サッカー部の方のマネージャーだ。憧れていた部内恋愛が、私のバラ色の大学生活がここから始まると信じていた。 しかし入部してみると、先輩たちは全然優しくなくて、全く馴染めなかった。部内恋愛に発展する兆候も全く感じられなかった。
ユウジからも連絡が来なくなっていた。もともと頻繁に連絡を取り合う仲でもなかったので、大学で色んな男の子と接するうちにユウジへの恋心も薄れていった。2年間ほどずっと好きだった相手のことをこんなに簡単に忘れてしまう自分にもびっくりした。 ダイスケとは連絡を取り合っていた。彼は大阪の大学に進学したらしい。しかし彼は大学が楽しくないらしく、私と電話している時間が一番楽しいと言ってくれた。
そしてダイスケと二人で遊ぶことになった。 私にとっては生まれて初めてのデートである。18歳にして初めてのデートだ。 ダイスケのことは写真やプリクラで見たことはあったが、普通にお洒落でかっこいい人だったので、会うことに対して不安は抱かなかった。 実際のダイスケと会ってみても、お洒落でイケメンだったので「何でこんな人がモバゲーで出会ったあたしなんかと会ってくれるのだろう?」と疑問に思った。 大阪の街中をぶらぶら歩いてお洒落な店を回ったりして、健全なデートを楽しんだ。 正直、死ぬかと思うくらい緊張したが、とても楽しいデートであった。 私はダイスケのことが気になっていた。
そしてもう一度、私たちはデートすることになった。 二回目のデートもとても健全で、手すら繋がなかった。もちろんダイスケは今までに3人ほど彼女がいたし、童貞でもない。見た目からしてリア充の匂いがする彼が、私に構う意味が分からなかった。そして私は勘違いした。彼は私のことが好きなのだろう、と。
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