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作品名:私がモテない理由、教えてください。 作者:蜂 なな

第1回   1
私の名前は清水さくら。ハタチ。大学3回生。
たいした努力もしたことがないゆえに平凡な人生を送ってきた。
平凡がつまらなくて嫌になったのではない。
愛されないことが辛かった。
そろそろ私は自殺を考えている。そこで、自分の小説を書いてみることにした。
振り返ってみても全く面白くない人生なんだけど、読んでくれる人がいれば有り難いな。
そして、これを読んでいる皆さんに一緒に考えてほしいの。
私が愛されない理由を。



私は20年間生きてきて誰かと付き合ったことも、誰かに告白されたこともない。
初恋は幼稚園のとき。惚れやすい性格なので、今までの人生で何人もの男の子に淡い恋心を抱いてきたのだが、それが両想いになることは無かった。どんだけ魅力ないんだよ自分、と思い続けて20年だ。

3つ年上の兄にいつも嫉妬していた。彼は親の愛情を独り占めしていた。
彼が中学生になって彼女が出来たとき、ずっと兄を人生のお手本にしていた私は、小学生ながらに「中学に入ったら彼氏ができるのだろうな」という期待を抱いていた。
しかし兄は特殊な人間であった。勉強はできないしスポーツも人並みにできる程度で笑いのセンスがある訳でもない。なのに、常に人気者で愛されていた。そしてその愛情を裏切る人間であった。親は私なんかよりも兄に愛情を注いでいたのに、兄は親にたいした感謝もせず、私に「両親の老後を頼む」と言っちゃうようなクズ人間である。だけど兄はみんなから愛されていた。

中学生になった私はグレもせずに普通だった。特別地味な存在でもなく、優等生キャラでもヤンキーキャラでもなく本当に普通だったけど、全くモテなかった。
男の子とも程よく喋っていたのだが、男の子からの好意を感じることなど一切なく、ただの友達という感じだった。

その頃、兄は高校生。男子校に進学したにも関わらず、兄には彼女がいた。兄は付き合うと長いタイプなのだが、別れてしまってもすぐに新しい彼女が出来るので、彼女がいない時期がほとんどなかった。
私は高校生になれば絶対に彼氏はできると確信した。しかし受験勉強を頑張って頭のいい公立高校に無事合格したのだけど、ここの高校が私には全く合っていなかった。
高校生の私は一気に地味な存在になった。化粧はしていたし見た目は普通だったと思う。だけど周りの人間と気が合わなかった。せっかくの共学だっていうのに男の子とも喋らない高校生活だった。
そんなこんなでモテるわけもなく。
兄もいつの間にか大学生になっていた。もちろん彼女ができた。その彼女とは今でも続いている。もう5年ほど付き合っているので、そろそろ結婚するのだろう。
高校生の私はこんな高校で彼氏なんか出来るわけないと思い、大学に期待した。さすがに大学生になったら彼氏はできるだろう、と。

高校2年の夏頃だっただろうか。当時流行っていたモバゲーが私の地味な高校生活を変えてくれることになる。


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