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作品名:本当かどうかは別として 作者:Sharula

第88回   ランチ・タイム
セルティに朝食を食べたいと言ったススムだが、
実際にごはんを口にできたのは、お昼すぎだった。


ススムがセルティの身体から解放されて、ダイニング・ルームに
向かうと、そこには彼の父邦彦と、義母沙知子の姿があった。


「おお、ススム。朝飯も食べずに、よく頑張れるなあ」


邦彦のおどけたような笑顔の横で、
沙知子も嬉しそうに笑う。


「実はね、私たちもセルティさんの艶っぽい声が
 家中に響いて我慢できなくなっちゃたのよ」

「あれだけ"Oh, I'm cumming!"(イク!:cumはcomeの俗語で
オーガズム [Orgasm] に達すること)と「Deeper!(もっと深く!)
を何度も聞かされたら、さすがにお父さんたちも刺激されるよ」

「ねえ、ススムさん、『思いっきり突いて!』と
 『後ろからお願い』って英語で何っていうのかしら?」

「ああ…、思いっきり突くのは "Stick me hard!" で…。
後ろからは"Do it doggy style."。同じ意味では"doggy doggy"
という言い方もあるけど…。義母さん、それをベッドで使うの?」

「もちろんよ。あとでセルティさんにも、その手の英語を教えて
もらおうかと思うの。でも、ベッドの上で無我夢中になったとき
には、英語で何って言うのか、思い出せないかも知れないわね」


ふつう、親子といえど、夫婦生活については、陰に隠すようなも
のだが、小林家代々の家風なのか、その点でも妙に遠慮すること
がない。


何しろ、ススムに性の手ほどきをした女性こそが、沙知子だった。
もちろん、邦彦との再婚前、親族の一員としての役目からだったが…



少し経って、セルティが、少しボーッとした感じで、
ダイニング・ルームに顔をのぞかせた。彼女はドアを
少し開いたとき、彼女の視界には、ススムの姿しか見えなかった。



"l got all turned‐on.
That was sptendid!"



ドアを開けて、一歩足を踏み出したとき、邦彦と沙知子の顔をみて、
セルティは、とんでもないことを言ってしまったと気恥ずかしく
なった。


一方のススムは、ピントがずれたような顔をした沙知子を見て
今の英語の意味が分からなかったからだろうと説明する。


「最初の turned‐on は"熱中した"という意味で、平たく言ったら
『私、すごく感じちゃった』で、あとの方は『最高だったわ!』
 ってニュアンスかな」


いちいち説明しなくてもいいじゃない…というセルティの
困惑の表情に、3人は、改めて親しみを込めた笑顔を向けた。


とにかく、お昼ごはんにしましょうとの沙知子の一言に、
ススムもセルティも、何のためにダイニング・ルームに
来たのか思い出した。


昼食のメニューは、邦彦の釣ってきた魚がメインだったが、
セルティが日本の魚には、ちょっと慣れていないのではないか
と心配した沙知子は、一皿だけをムニエルにした。


ディスカッションが大好きな彼らは、ワインやビール、新潟
産の日本酒など飲みながら、さまざまな話題を展開していった。


酔いが少しまわった頃、セルティはススムとのセックスについて
自ら話を切り出した。さっき恥ずかしがった人とは思えないと、
皆なに笑われながら…


「メビウスの輪ってあるじゃないですか…。あれをススムとのセ
ックスで実感したんですよ。まず、ススムのペニスから私のヴァ
ギナに発射された氣が、脊髄を通して頭に流れて、それがキスを
通じて、またススムの体内に氣が流れていくんです」

「僕も初めて経験したよ。まさか、セルティと僕の間で氣が循環
するなんて思わなかった。正常位で交わっていたとき、どうして
も彼女にキスしたくてたまらなくなったんだ。それで二人で舌を
絡めていたら、突然氣が循環しはじめて、パワーアップした氣が
また、ペニスから飛び出していって…」

「そうなんだ…。ススムは偶然だったんだね。とにかく、なんども
なんども氣が私の身体を循環して、全身の毛穴が開いたみたいに
なったわ。それこそ身体全体が性器になったみたいで、どこを
触られても感じちゃうの」



邦彦がセルティのグラスにワインを注ぎながら話す。



「ある研究ではオルガズムに達することができない女性が、全体
の5〜10パーセントくらいいるそうだけど、そんな女性たちか
らすると夢みたいな話だね、二人の会話は…」

「それはたしか…。オランダの研究チームが、偶然、そのメカニ
ズム(無オルガスム症の)を突き止めたってニュースを聞いたこ
とがあるわ。彼女たちは絶頂を迎える瞬間、意識のスイッチを切
っちゃうらしいの。たしか、眼窩前頭皮質っていう脳のスイッチ
をオフにするらしいわ」

「それは性行為中の痛みがトラウマになってるんじゃない?」

「さすが、ススムのお父さん、勘がいいですね。その通りです。
今後は心理学の観点からのアプローチが、そうした女性を応援で
きると思うんです」


冷蔵庫から氷を取り出してきた沙知子が、セルティに尋ねる。


「ねえ、『このまま抱きしめて』って英語で何っていうのかしら?」

「ああ、私なら、I want you to keep on holding me like this.
 って、ススムには言ってますね。いつも…」

「そうそう、それで、お昼までご飯が食べれないんだよ」


ススムのジョークに4人とも笑ったが、そのときセルティには、
ある信号のようなものをキャッチしたらしく、彼女はススムにコ
ンピューターを使わせてほしいと言うと、


邦彦はススムに、彼女に2Fの奥の部屋にある
コンピューターを使ったらいいと勧めた。


その家でもっとも性能のいいコンピューターだった。







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