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作品名:本当かどうかは別として 作者:Sharula

第35回   祭壇に上るザカリアとマリア
天使ガブリエルにより、ダビデの王座を継ぐ者(メシア)を懐妊する
と告げられたマリアは、立ち上がり、急いで南の方にある山岳地帯の
町に向かった。


それは彼女の親類、エリザベツ夫妻を訪ねるためだった。


彼女がその家に着く頃、あたりは夕暮れとなり、陽も翳ってはいたが、
夜道を歩かずに済んだことにマリアは安堵した。


エリザベツは祭司ザカリアの妻であり、ススムが夢の中で見た印象では、
しっかりとした雰囲気の40代半ばの、とても品のある女性と思えた。
すでに初産も妊娠6ヶ月に達し、お腹のふくらみも目立つ。


マリアがエリザベツの家にやってきた理由を詳しく話す必要はなかった。
天使ガブリエルが、すでにエリザベツにその内容を伝えていた。


しかし、いくら神からの啓示とはいえ、エリザベツも一人の女性である。
自分の夫を別の女性にあてがうことに、内心穏やかでいられるはずは
なかった。


そんなとき、自分のお腹の子が盛んに喜ぶのを感じた。
彼女はその鼓動を感じ、主の御意のままにと覚悟を決めた。


祭司ザカリアは、彼の子供をマリアの胎に宿す使命が与えられた
ことを妻エリザベツから聞いた。もちろん、彼はひどく驚いた。


当時、姦淫の罪は石打ちの刑として死を意味したため、マリアも
自らも無事でいられるとは思えなかった。しかも、自分の妻の口
からそんな話を聞かされるとは夢にも思わなかった。


エリザベツは、マリアの服をすべて脱がせ、水でその身体を清めた。


私は自分の夫に他の女を与えるのではない。神のミッション(使命)
を果たすために生命を賭けているのだ…エリザベツはそう決意し、
また、その成功を祈りながらマリアの身体を丁寧に洗った。


マリアもまた真剣だった。身体のどこをエリザベツに触られようとも、
神の供え物して、祭司ザカリアに差し出される身としてふさわしい自
らであることを祈った。


姦淫の罪により、自分が石打ちの刑で殺されるかも知れないことなど
彼女も重々承知していた。先妻の子をもつ、男やもめヨセフを裏切る
ことになることも分かっていた。だが、先々の事を考える心の余裕など、
今の彼女にはなかった。


自らを生かすも殺すも神のみ意のままに…。マリアもエリザベツも、
祭司ザカリアもそのような思いで、一つ一つの振る舞いに心を込めた。


マリアの洗い清めが終わると、エリザベツは彼女が持つドレスの中で
もっともよいものを裸身のマリアに着せ、ザカリアの待つ寝室にマリ
アを向かわせた。


だが、マリアは寝室のドアの前で立ち止まり、中に入ることを躊躇った。


相手は、ある意味では父親のように神殿で慣れ親しんだザカリアである。
だが、全裸で男性の前に立つ恥ずかしさと、男を知らぬ自分が何
をどうしてよいのか見当もつかず、不安ばかりが募った。


そんなマリアを見て、エリザベツは意を決して彼女の手を取り
“大丈夫よ、私に任せなさい”という表情を浮かべ、寝室の扉
を開いた。


ザカリアはマリアと対面し、やさしい表情で彼女を見つめた。


マリアはザカリアとエリザベツの温かな気遣いを感じ、着ていた服を
自ら脱いでイスに置いた。彼女は顔を真っ赤にしながらも、一糸まと
わぬその姿をザカリアに見せた。そのとき、マリアから譬えようも
ないほど神々しい美しさを、ザカリアとエリザベツは感じた。


エリザベツはマリアをベッドに連れていき、横になるよう促した。


ザカリアはすでに身を清め終わっていた。彼はマリアを前にして服を
脱ぎ、その裸身を晒した。そこでマリアは初めてみる男性の下半身を
見て固まってしまった。


エリザベツはザカリアのそれを右手で上下にしごきながら大きくする
一方、マリアの方に顔を向け、これからの始まる次第を説明した。


マリアの膣にザカリヤのそれが挿入され、その精液をマリアが受けと
めることで受胎すること。ただし、処女を失うときに非常な痛みや出
血が伴うことなども知らせた。


果たしてそんな大きなものが自分の中に入るのだろうか…という不安が
マリアの口からついて出たとき、エリザベツは自分自身の体験を話して
聞かせた。それからマリアの顔に少しずつ安堵の表情が見えはじめた。


ところで、ザカリアの右腕に巻きつけられた紐には、いったい何の意
味があるのだろうかとススムは思った。


イエス・キリストの妹は、ススムが尋ねてもいないのにそれに答えた。


あれは旧約聖書に出てくるヤコブの四男ユダが持っていたものだという。
その人物は長男の嫁タマルと関係して双子を産んでいる。


ザカリヤはこの国の祭司としてマリアを祭壇に載せ、神事を行うとい
う決意を忘れないため、何かしら先祖から受け継いだモノを身につけ
るべきだと思ったらしい。決して快楽を貪るためにマリアと寝るので
はないという自戒のために…


いよいよエリザベツの手によってザカリヤのそれが十分な大きさを持ち
はじめると、エリザベツは次にマリアの手を握って祈った。ザカリヤも
マリアも彼女と同じく真剣な祈りを捧げた。


いよいよ事が始まろうとしたとき、エリザベツはベッドから離れ、
部屋の扉近くに立った。ダビデの王座を継ぐ者を誕生させるために、
主がマリアの胎を必要とされている、と自分に言い聞かせながら…





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