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作品名:本当かどうかは別として 作者:Sharula

第107回   地下室での密やかなレクチャー
建物の地下実験室の隣にある部屋からは、官能的なヴァレリー
の声が響く。すでにデヴのていねいな愛撫を受け、十分な潤い
を保つ彼女の女性自身は、今、完全にデヴの男根を飲み込んだ
ばかりだった。


また、その近くにいる複数の男女たちは、ヴァレリーが女性上
位の体勢から、後へ反り返って見せる結合部を、遠慮なくビデ
オカメラに収めている。


また、すでに録画されたビデオには、女性の身体のどこをどう
愛撫したらよいのか? それをヴァレリーが女性の立場から詳
しくレクチャーした内容が収録されている。


そして、今、ヴァレリーからは
心から満たされた女の表情が見てとれる。



「やっぱり、大好きな人とするのが、女にとっての一番の幸せ
なんだわ。うう〜ん、こんなに満たされる気持ちって、生まれ
て初めて味わった気がする」



ヴァレリーの満足そうな表情に、デヴは嬉しくなり、また、
一方でまわりで二人を撮影している者たちも、セックスという
男女の生々しい行為でありながら、何か神々しいものを目の当
たりにしているような気がしていた。


デヴはさっそく腰を動かそうとしたが、
すかさず彼女に、その動きを制止された。



「私を悦ばそうとしてくれて、ありがとう、デヴ。でも、まだ、
動かないでいてくれるかしら。今、私のヴァギナがあなたの
モノに馴染んでいるところなの。どう…、何か、感じない?」


「ああっ、中で何か感じるよ。ザワザワした感じかな。そうだ
ね…、君の中のものが、僕のに、まとわりついて、少しずつ全
体を飲み込もうとしている感じかな。そういえば、子供の頃、
海でイソギンチャクの中に指を突っ込んだときの感触に似てる
かも知れない。あッ、先っぽだけじゃなく、今、根元の方まで
ガブッって食べられたって感じ!」


「うふふ、実は私も、ちょっと不思議な感じがしてるのよ。言
葉で表現するのはむずかしいけど、私のヴァギナがあなたの細
胞を記憶したがってるって感じかな…。あなたのペニスの温か
さが、膣だけじゃなく、子宮やおなかにまで届いてる気がする
の…。あらっ? 何なのかしら、この感触、うわっ! 最高!」


お互いの性器を密着させているだけなのに、言い知れぬほどの
快感がヴァレリーを襲い、今また、デヴをも襲いはじめた。


まわりにいた一人の男性は、二人がポリネシアン・セックスの
快感を体験しているのではないかと、他のものたちに告げた。
その手法によれば、生殖器を結合させた者同士が、お互いの性
器のコミュニケーションで深い快感を味わえるのだという。


デヴはその快感に感激しながらも、ふと、ススムとセルティー
の愛し合う光景を思い出し、ヴァレリーに『氣』を送らなけれ
ばと心を集中させる。


それから、彼女の上半身の両脇にある官能のツボに両手を添え、
中丹田から氣を、一方で膣の中にあるペニスの先端からも、
大きな氣を同時に放った。


その瞬間、ヴァレリーは、いったい何が起こったのか分からな
かった。突然、子宮が熱く燃やされたかと思うと、脊髄を通じ
て首の後ろ、そして脳天にまで電気が届いたような感覚をおぼ
え、彼女の頭の中は、一瞬、真っ白になってしまった。


それからは、デヴが主導権を握り、ヴァレリーを正上位の体勢
から愛しはじめる。彼は少しずつ小さな氣を送りながら、とき
どき大きな氣の塊を放つ。少し休ませてという彼女の懇願を軽
く無視して、ピストンを行い、身体の使える箇所を総動員して
の愛撫をつづける。


ヴァレリーは、今まで経験したことのない快感の波にのまれ、
昇天したような至福のときを、なんども通過してしまう。そし
て彼女のイク姿が、演技ではないことを、その場にいる女性た
ちは実感し、自分たちも、あんなふうに愛されたいと願った。


ヴァレリーは一度頂点を極めてしまったと思うと、また、さら
なる頂点に到達してしまい、いまやセックスの初心者であるは
ずのデヴに身も心も翻弄されていた。


一方のデヴも、急速に頂点に登りつめようとしたとき、彼は、
ヴァレリーのヴァギナから、氣が逆流してくるのを感じた。


以前、ススムが話していたのは、この事だったかも知れないと
デヴは思い出した。それは男性が、陽の氣を女性に送ると、
その氣が女性の体内を循環しながら陰の氣となり、再び
男性に戻ってくるという話だった。


彼はヴァレリーのなかに大量の精を放った。


“男性の陽の氣と、女性の陰の氣が重なることで、新しい生命
が誕生できるのかも知れない。きっと、ペニスとヴァギナとは、
そういう愛の器官として創られたにちがいない”


ヴァレリーが満足そうに紅潮した顔をデヴに向けると、彼女は
手を伸ばして、指を舐めてみて、とささやいた。


彼はその声に従い、ていねいなキスを指に施した。すると、
再びヴァレリーの息遣いは荒くなり、恍惚の表情を浮かべた。


その瞬間を見ていた周りの者たちは、女性の身体の不思議さを
感じていた。イク前とイッた後では、愛撫のポイントが変わる
ことに気がついたのだ。


女性がイク前、いくら愛撫しても反応がなかったところでも、
イッた後でなら、新たに感じる場所になるという可能性だった。


人間には60兆もの細胞があると言われるが、女性の性感帯は、
その数ほどあるのかも知れない。毎日毎日、男と女は、ダイヤ
モンドを探すように、ともに新たな性感帯を開拓する喜びを分
かち合うべきなのかも知れない…


デヴとヴァレリーは、自分たちの交わりを通して、将来、
そうした夫婦になるよう示唆してくれたのだと感謝した。



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