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作品名:本当かどうかは別として 作者:Sharula

第103回   尾行
ヴァレリーは、車の鍵をもって部屋の外に出ようとするデヴに、
さっきシャンパンを飲んだばかりのに大丈夫なの…と尋ねる。
すると、彼は、自分と運転手の飲んだのはモンドセレクション賞
を受賞したノンアルコールだから心配いらないですよと笑う。


シャンパンは、フランスのシャンパーニュという地方で作られた、
泡の出るワインで、規定アルコールは11度以上。炭酸が入って
いるアルコールは吸収が早く、酔いも早く回る。


そのため、古来、ヨーロッパでは口説き落としたい女性には、
まずシャンパンを飲ませるのが、男たちのセオリーという話を
ヴァレリーは思い出した。


デヴはヴァレリーを静止して、ガレージのドアを開けると、
身をかがめてキーレスのリモコンを車に向けてボタンを押す。



「すみません、ヴァレリーさま。1分間ほど待っていただけませんか。
車に爆発物や発信機など、何か不審なものが仕掛けられていないか、
器械にチェックさせておりますので…」


「デヴ、あなた、いつもそんなチェックをしているの?」


「はい、私のような者でも、一応は機密情報の類を扱ってますので、
自分の身は自分で守らなければと思ってます。あっ、終わりました。
大丈夫なようです。盗聴装置のようなモノも仕掛けられてないですね」



デヴとヴァレリーは白いバンに乗り込むと、ゆっくりと車を出し、
ヌーシャテル湖のほとりに沿った道を、ごく普通の速度で進む。


デヴは、本来行く必要のない道を、いくつか辿るうちに、尾行し
てくる車を特定した。バンのカーナビの画面は、黒塗りの高級車
の前方の席に座るスーツ姿の男たちを映し出している。


「すごい、私たち、スパイ映画の中にいるみたいだわ。望遠レンズ
を仕掛けたカーナビなんて初めてよ。もしかしたら、この平凡な
バンは防弾仕様だったりするの?」


「はい、ショットガンや通常のライフル銃くらいなら問題ありません。
でも、さすがにロケット砲には耐えられませんので、前方と後方に
小型の迎撃ミサイルを2発ずつ装備してます。ただ、それでもあまり
接近されてから撃たれると、命中精度が著しく下がりますので、
それだけが心配です」


「小型の迎撃ミサイルって、米軍の
 パトリオット・ミサイル のようなものなの?」


「いえ、この車のは、大雑把に言えば熱感知式みたいなもので、
パトリオットのように、人工衛星を使って弾道を捕捉するような
大掛かなものではありません」


「ふ〜ん、そうなの…。ねえ、デヴ。パトリオット・ミサイルっ
て命中する精度が低いって噂じゃない。あれって本当なの?」


「私はそうは思いません。一般的にパトリオットの命中精度は、
20%とか言われて、『役立たず』ってイメ−ジもありますけど、
あれは正確に、マトをはずしているのだと思います。おそらく、
照準を数センチほどはずれるように、角度を合わせたのでしょう」


「じゃあ、ワザと敵のミサイルを撃ち落さなかったり、自軍のペ
リコプターに乗った兵士たちをパトリオットで犠牲にしたってい
うわけ?」


「おそらく…。だって、イラクやアフガンでの米軍兵士の惨状を
みれば、前線の兵士など、ただの捨て駒としか思えないですよ。
ビキニ環礁やネバダ砂漠での核実験で、被爆データを取るために、
モルモットにされた米軍の兵士たちを思うと、まるで人間扱いさ
れていないじゃないですか! あっ、すみません。つい…」


「いいのよ、デヴ。気にしないで。あなたの気持ちはよく分かるわ。
それに、最初から精度が高かったら、次のバージョンを売るときに
売れ行きが悪くなるものね。それにしても後ろの車、私達が尾行に
気づいたと、分かっているのかしら?」


「まだ、何とも言えませんが、たぶん彼らは分かっていると思い
ます。とにかく、この車でこのまま宿舎に戻ろうと思います。
あそこは表向きは民間の施設ですが、中は軍が管理しています。
もし彼らがそれを知っているなら、施設から3km圏内に入る前
に、姿を消すはずです」



ヴァレリーはデヴの右腕に頭をもたれかけながら、運転する彼の
顔を見上げる。デヴは何か?と思いながら彼女をチラッと見ると
彼女はデヴのズボンのボタンをはずし、ジャッパーを下そうとし
ている。デヴは、ややあわてて



「ど、どうしたんですか? ヴァレリーさま」


「だって、もしかしたら、あなたの宿舎に着く前に、私たちって
殺されるかも知れないのよ。その前に、できるだけ、やり残した
ことがないようにしたいの。分かるでしょう」



ヴァレリーはデヴが身動きしづらいことをいいことに、彼のパン
ツをズラして、彼の分身を取り出すと、手でしごきながら、さま
ざまな舌使いで嘗め回し、口に含んで激しく愛撫しまくる。


彼女のそれは、ちょっとした好奇心だった。
果たして大好きな人の精子はどんな味がするのだろうかという。


デヴはデヴで、尾行のほかに別働部隊が待機していて、どこからか
砲撃してくるのではないかと心配していたが、何とか射精させ
ようとするヴァレリーの愛撫の前に、その心配はどこかに飛んで
しまう。


それから、さらに本気モードに入ったヴァレリーは、ブラウスの
ボタンを手探りではずし、ブラジャーをずらして、デヴの右手を
中に入れて、直接自分の乳房に触らせる。


デヴは、やわらかく温かなその感触に感激しながら、彼女の胸の
谷間をチラッと見た瞬間、最初の衝撃を彼女の口の中に放出して
しまった。


ヴァレリーにとって、好きでもない男の精液は、生臭くて苦いだ
けの嫌なモノだったが、大好きなデヴの放ったそれには、どこか
不思議な甘さを感じる。



“女って、気の持ち方で、味に変化を感じるのかしら? 
 それともデヴの元々の体質が精液に影響してるのかしら?”



ヴァレリーは、そんなことを思いながら、デヴのペニスに残る精液
も吸い尽くした。でも、彼女はもう一度飲んでみたくなってしまい、
二度目の射精を促そうと試みる。


さっきよりも、大胆な刺激を与えないといけないと思い、彼女は
タイトなスカートのホックをはずし、ファスナーを下ろして、
いよいよ脱ごうとしたところで車が停まった。


彼女が見上げると、警備服を着た男が、書類をはさんだクリップ
ボードをデヴに手渡すのが見える。二人は宿舎の入り口にある検
問所に着いたのだ。


入館のサインをするデヴの横で、半裸の女がペニスをくわえる光
景には、さすがの守衛も驚いたが、彼女に明るく声をかける。



「ようこそ、ヴァレリーさん。お越しいただけて光栄です」



気まずい顔で身なりを整えながら、ヴァレリーは、ちょっとした
違和感を感じる。検問所で初めて会う男が、なぜ私の顔や名前まで
知っているのかと…


それから、デヴがバンを敷地内を運転して進むと、2〜3階の窓から
若い男たちが次々と顔をのぞかせ、なかには手にシャツを持って振る
者もいる。



「ようこそ、ヴァレリーさん!」



そんな声が、あちこちから聞こえる
彼らも、なぜか彼女の名前を知っている。



「ねえ、なんでここの人たちは、私のこと、知ってるの?」



ヴァレリーの問いに、
デヴは困惑した顔を隠せなかった。




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