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作品名:ときどき占い師の日常 作者:Sharula

第7回   7
圭介のマンションで酔っぱらった外国人女子大生は、引き続きパーテ
ィーを楽しみ、その後圭介とケイトのそれぞれベッドで眠った。


圭介は仕方なくリビングのソファーで寝ることにしたが、朝方、重苦
しさに目を覚ますと、2人の女性が彼の上に覆いかぶさっている。ケ
イトとニッキーが彼に抱きつくカタチで寝ていたのだ。

起きようとすると「ダメ」と言ってケイトが放さない。まるで起きて
いるかのように寝言を言ったのが分かって圭介は驚く。


それでも彼はトイレに行くため、そこから何とか脱出した。


寝ぼけ眼でトイレのドアを開けると女性が用を足している最中だった。
彼はあわててドアを閉めようとして、自分の足をドアで強くぶつけた。
ひどく痛がる彼をその女性は気の毒がった。

彼女はジュリアというケイトの友だちだったが、彼女の恋人や兄弟が
バスルームでシャワーを浴びてるときに、トイレで用を足すことも多
いので、特に気にしないでといわれた。

たしかに欧米ではバスルームにトイレがある。だから、お風呂から出
るまでトイレを我慢するわけにも行かないだろう。だが、圭介にはそ
んな生活習慣などちょっと考えられなかった。


ところが、圭介が用を足していると、別の女性がドアを開けて入って
きた。同じくケイトの友だちのパメラだった。彼が固まってしまった
のを見て、彼女はニコッと笑って出て行った。


日本の男性のサイズはアメリカの男性とあまり変わらないみたいだと、
誰かに話しかけるパメラの英語がドアの向こうから聞こえる。


トイレから出た圭介は気を取り直してハムエッグ、コーヒー、トース
トで朝食を取ろうと思った。するとソファーで寝ていたはずのケイト
が台所のテーブルに両肘をつき、見上げるポーズで圭介を見つめる。


彼女が圭介に何を言いたいのか分かる。

「私のもつくって!」と顔に書いてある。
ふと、彼がふりむくと他の女性たちも微笑みながら彼を見ている。


「まあ、いいか…」


圭介はそう思うと彼女たちの朝食もまとめて準備したが、
彼女たちの食欲の旺盛さには驚かされる。



「じゃあ、師匠。私、友達と出かけてきます」



ケイトと彼女の友だちが出かけたあと、
いつもの日曜日の平安さが戻ったと圭介は感じた。


“東洋と西洋の文化のちがいって、意外に大きいのかもなあ”

彼は内心そう思いながら、ノートパソコンを立ち上げた。








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