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作品名:あの夏を忘れない 作者:斎藤和也

第1回   夏休みの始まり
日枝田中学校にも、毎年の恒例の夏休みの季節がやってきた

1学期の終業式、校長先生の無駄に長く感じるありがたいお話が終わり。
いよいよ、中学2年の夏休みが始まろうとしていた。
実家が自営業を営む拓海は今年の夏休みもめぼしいところに行ける予定もない。
だが、そんな拓海には、それ以上に楽しいことがあった。

それは、拓海にとって大切な友達の 真哉(しんや)と麻衣(まい)と
遊びまくれるからだ。

日枝田中学校はクラスが4つあり、そのうち2−1に真哉と麻衣がいて2−3に
拓海がいる。真哉と麻衣はしばしば仲の良さから、付き合っているという噂が流れているが
定かではない。麻衣に心を寄せている拓海はいつも真哉にやきもちを焼いている。

そんな日枝田中学校で14歳の夏休みが始まった、3人

一緒に帰っていた真哉と麻衣のところに、1楽器の美術の制作物をお母さんの車にいれてもって帰ってもらったりしているうちに少し遅れていた拓海が追いつく

 拓海「やっと追いついた、はぁはぁぜぇぜぇ」
 真哉・麻衣「おそい!」
 拓海「わりぃわりぃ、ちょっと手間取ってたんだ」

 真哉「ところで拓海、今度の日曜日一緒に三人で廃校いかねぇ?」
 麻衣「廃校って、まさか勾玉小学校のこと?」
 真哉「そうだよ、あそこ出るって噂じゃん?一回行ってみねぇ?行ったことないしさ、    前から気になってたんだよ」
 拓海「いやぁ麻衣怖がるなよ、スゲー俺も行きたかったんだよ俺らがいるから安心!」

 麻衣「まぁ、二人がそう言うなら行ってもいいかな(笑)」

 真哉「よし、じゃぁ今度の日曜日 午後1時20分 いつものコンビニ集合な」

拓海たちが住む、ここ日枝田町は、人口3000人の小さな町である。拓海たちが住む日枝田
町にはコンビニエンスストアが1つしかない。そのためコンビニとだけ言えばどこだかわかるのだ。

そして、日曜日が来た。

コンビニに一番最初に到着したのは真哉だった。言いだしっぺだけに遅れてくることはない。

そこに5分ほど遅れて拓海と麻衣が一緒に到着した。

拓海と麻衣そして真哉はとりあえず、コンビニで飲み物とおやつを買った
そうして3人は廃校に向かうために普段は右折する交差点で珍しく左折して坂を上り
廃校までの3キロほどの距離をがんばって漕いだ。
「ふぅ、やっと着いたなぁ。」と拓海がつぶやく。
麻衣と真哉も坂を登り切り、廃校の自転車置き場に自転車をとめた

中の柵をよじ登って入った3人、グランドには草が所々生えていたが全体的に綺麗な状態だった。ちょうど、自分たちのお父さんやお母さんもこの小学校で遊んでいたんだなと
想像を広げる拓海。

「よーし、じゃぁ 廃校の中に入っちゃいますか!!」と真哉が大きな声で言う。

麻衣と拓海はなんだか怖くなってきて、少しおじけずいてるようにも見える。

後者の入口のドアは、少しだけ開いていて、不気味な存在感を放っていた・・・


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