見慣れない男性、不自然な挙動、近づく足音、下手な尾行だ…
どうしてこんな事に…巡る思考…
普段はなんでもない朝の出勤時間、ミツルは必死に考えていた。 何点か心当たりがある、でもその対象となる人やその目的に考えを巡らせるとその可能性は限りなく広がってしまう。
そう、このままでは答えを出すのは無理だ。
どこか一点、揺るぎない真実を見つけ、そこを頼りに糸を手繰り、答えを出さないと… そこまで考えを巡らせた後、ミツルは尾行者と接触を試みた…
ミツルは今年35歳になる普通のサラリーマン。 出世する訳でもなく、かといって信頼に欠ける訳でもなく、 自分の強みを生かす仕事を持ち、年齢なりの経験をしてきた。 妻は表情の豊かな年下の可愛らしい女性。 正直な話、家の事や家計を任せられるような嫁ではないが、 それはそれで良いとマコトは思っていた。 楽しければいい、子供が居なくても毎日が楽しければ…。
なんでもない毎日を繰り返す中、ミツルの生活が徐々に変わり始めたのはそろそろ手袋が必要になりそうな、そんな冬の日の事だった…
|
|