「やあおにいちゃん。また来たね」
「こんにちは」
「にいちゃんも好きだね・・でもよこれからどうすんだい?」
「どうしたっていいでしょう。あなたには関係ありません」
「相変わらず冷たいな。でもよおにいちゃん、オイラがその気になったらおにいちゃん警察さんの前を安心して通れなくすることもできるんだぜ?」
男は小汚い上着を脱いで椅子にこしかけてクヒヒヒと笑った
「・・あなたも相変わらずですね」
僕も椅子に腰かけた
「クヒヒ!じゃあさっそく始めようか・・先によ・・」
「わかってますよ」
机の上に札束を置いた。男は札束をマジマジと見つめ、手に取り目の前まで近づけた
「うん。本物だね」
「今更そんな事しませんよ」
「まあな。一応だ。気にするなよ」
「いいですよ。そんな事よりお願いします」
「ああ・・わかったよ」
男がおもむろに立ち上がった
「バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ」
男が僕の目の前で叫んだ
その瞬間僕の体から幸福がドバドバと溢れだし
快感という言葉では収まらないほどの感覚が全身を包んだ
「ああ・・ありがとうございます。やっぱりあなたが最高だ・・」
「お世辞は言わなくていいよおにいちゃん。でも俺も今日で引退だ・・こんなご時世なんだ・・せいぜい気をつけて他を探しなよ」
「・・今までありがとうございました」
「ハッ!柄にもねえじゃねえか・・はやく帰れ!俺はもうここを閉めるから」
地下から上がって外に出ると冷たい風がふきつけてきた
僕は電車を乗るために駅の方向に向かって歩き出した
|
|