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作品名:私。 作者:大枝 輝

最終回   1
30歳過ぎて家庭を持った。
もうすぐ父親にもなる。
仕事は紆余曲折あったけど、なんとか無難な会社に収まった。
腕利きではないけれどなんとか居場所は作れそうだ。
以外と平凡な人生に収まったんじゃないかって思ってる。
多分、割と幸せなんだ。

お前の言う事はいつも正しいよ。
で、誰だったっけ、お前。

英国のロックスターが世界を変えた。
僕もそんな風になるんじゃないかって思ってた。

何かを作り出す事がしたかった。
映画、音楽、漫画、小説。
自分の手で誰かを感動させたかった。
そんな世の中甘くなんてないわな。

いつのまにか親友の頭がはげ上がってた。
酒を飲んで明けがたまで語り尽くして。
将来、未来。
あけてみればこんなもんだ。
毎晩毎晩毎晩時間を突っ込んで語り尽くしたのに。

「早死にしたい、ロックスターになるんだ。」
最近は健康に気を使ってお酒は控えめ。野菜も取る様にしている。
タバコも最近はやめることも考えてる。

他人と比較して、俺、ちょっとこいつより幸せかもって考えてる。

テストには必ず答えがあった。答案用紙に答えを埋めれば必ず○×で判定してくれる。でも今は何が正解か分んないよ。誰か○×を付けてくれ。

夜中が大好きだった。
公園でストリートバスケ。自販機のジュースがすごくうまかった。
毎日誰かがいてなんかやってた。
こんな日がいつまでも続くと思っていた。

以外と挫折してから落ちて行くのは早かった。
人間、目標を失っては駄目だ。
あんなの動物とおんなじだよ。

割と器用な方だった。
勉強、楽器、恋愛、スポーツ。
ある程度何でもこなせた。
でも一番にはなれなかった。

かわいい女の子が生まれた。
ほら、やっぱり幸せじゃないか。
僕はこのこの為に一生懸命生きる。
それはそれでいいんじゃないかな。


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