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作品名:あゆとあみの父の会話 作者:しろ

第3回   我慢できないから突っ込むわ!
あゆ☆
人間が生活していく上で必須なものだったり、
需要が時代にかかわらず安定している品だったりすると
必ず、独占したいと思う輩が出てきて
自由競争がゆがめられるというプロセスが発生するってわけ

A美父☆
じゃあ、うちの娘は、
ゆがめられた市場競争の中で売り出されたというわけか。
具体的に、あのときの十代の女性アイドル市場ってのは、
どういう風に競争がゆがんでたんだ?


あゆ☆
あんたの娘の歌が聞くに堪えないひどいシロモノで、
誰一人それに満足できていなくとも、  
それに代わるものが、何一つ市場に出回っていなければ、
消費者はそれをいやいや買うしかない・・


A美父☆
それはわかってるよ。あんたがさっき言ってたことだろ。

  
あゆ☆
あんたの娘以上の実力を持った者がこの世にいたとしても、
何らかの圧迫をうけて市場に出て行くことができなかったら、
あんたの娘みたいに、どんなにひどいシロモノであろうと売れたってことね。

前に言ったように、うんこ味の食べ物がどんなにまずくとも
市場にそれしか無ければ売れるようにね。


A美父☆
あのなあ、それは事実と違いすぎるぞ?
うちの娘の競争相手がいつ圧迫受けたんだ?
娘と同じくらい、あるいはそれ以上にじゃんじゃん宣伝された子なんて
同時代にはうじゃうじゃいたぞ?
その子たちがみんな、娘の事務所に圧迫受けてたなんてとうてい思えない。

客はあえてそれを蹴って、私の娘をチョイスしてくれたんだよ。
どこが不公平なんだよ、しごく正当な競争だよ。


あゆ☆
あのねえ。そう見えるだけでそれも錯覚・・まあいいや
いちいち突っ込みたいところだけどきり無いからやめとくわ

 
A美父☆
他人のあんたにはわかんないのかもしれないけど、
やっぱり娘には、他の子には実力では劣ってはいても、
そのほかの、人を引きつける何かがあったんだよ。
なんというか、感覚的にいえば、”キラリとしたもの”というかさ!わかる?


あ ゆ☆
あー我慢できない!悪いけど突っ込むわ

ココまで説明してどうしてそんなことがいえるわけ?
どうして間違いないっていえるの?断言できるの?
あくまで、主観でしょそれって。しかも父親という身内のさ!


A美父☆
ああ、言われていればたしかにな。
父親である私は娘を見る目に精神的にバイアスがかかってるかもしれないな。
娘のヒットの理由に、事務所の力があったっていうのは私も認めてるよ。

だけど、多くの若者が数あるアイドルの中から、
私の娘を選んでくれたっていうことは
やはり、娘に何かしらの売れる要因があったとしか思えないんだ。
技術とかそういいうもんでなく、オーラとかカリスマ性とかさ、

あんたの言うように精神的なものだから、
何とでもいえるって言われればそれまでだけどさ・・・・

でも、そのあやふやなもんってのが、
娘が売れたという動かしようの無い事実によって、
客観的な存在へと転化できたんだと、そういいたいんだよ俺は

ああ、こういうのって、あいまいすぎるから駄目か?


あゆ☆
フッ・・・・・


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