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作品名:ピロと被害者の会 作者:しろ

第4回   被害者の会、ふと我に返る
いつしか被害者の会も、
率先してピロの仕事のサポートをしはじめる
ピロが写真集を発売すればPRのため街に繰り出し
ピロが映画に出れば、チケットを率先して買った
仕事の利益は、持っている債券価格に直結する
こういった活動は、自分の利益にもなるのだ。


被害者の会のメンバーは
ピロの欲しい物を買ってやったりした
挙句の果てには、自腹を切って、ピロを飲みにつれてって、
タニマチのようなことをする者も現れた・・
どれもこれも、ピロに気持ちよく働いてもらうため・・
まわりまわって、自分たちのためでもあるのだ。



被害者の会の会員
ピロ宣伝活動をしながら、はたとおもった。



これって、被害者の会じゃなくて
ただのファンクラブではないのか?


しかも、今の状態って、ピロのファンクラブが、
そっくり株式会社化されたみたいなもんだよな・・
ランク上がってないか?


たしかに、市場に放出した債券は、
ほとんどがピロのファン連中の手に渡っていた
売却しなかった被害者の会のメンバーも
ほとんどが、心の底でピロ頑張れのエールをおくっている


今までとおなじじゃないか!
むしろ逆に、こっちがうまいこと
ピロのためにはたらかされてるような・・・


そこで、ふと我に返る
ピロが我々に与えた損害って、具体的に何だったんだろう?


W大に落ちたのは一人のはず・・
だから、だれか一人に払えばよいこと

だが、落ちた一人が誰であったかを
具体的にあげることはできない
いわば”落ちた人間一人”というのは
仮想の人間なのである

実際は、名乗り出た千人に分割したわけだが・・・・
それだって、一人頭数千円にしかなるまい。
その割には、公的資金に血税注入するケースとおなじくらい
反発の声が上がっていた・・どうしてだ?


たかだか数千円の損害・・
ピロが放蕩で使ってしまったから、残っていないのではなく
ほんとにその程度の損害だったのではないのか・・

ガソリンを満タンにすれば
ビール一ダースも買えば一瞬に消えてしまう程度の金
そして、たかだか数時間余計に働けば取り返せるシロモノ

こんな物、自分の就職口の当たり外れとか
リストラされるかされないかとか
税税や年金負担率があがるかどうかなどといった
世間の不安定リスクの大きさに比べたら
埋没してしまうくらいの、微々たる物じゃないのか・・

たかだかその程度の損害で
なぜ我々はここまで煩わされていたのだろう??



ピロが、つつましい生活して貯金したとすれば
逮捕時には、それがそっくり残っているはず
被害者の会にはある程度保証ができるが・・

でも、これにしたって、数万円うわのせされる程度だろう。
公表された損害額には、遠く及ばない

ピロが使ったお金は確かに、店などを潤して社会に還元された・・
だが、それをいってしまえばなんでもありだ
官官接待で店が潤うから、官僚のゼイタクを
容認していいのかということになってしまう。

奴らはさんざん楽しんだのだ。でも、ピロは私費だ。
個人が稼いだ金は個人がなにに使っても構わないともいえる


とにかく、ピロは稼いだ金をつかってしまったのだ。
残ってないのだから仕方ない。
返済のアテは、将来の収入でしかありえない。
ピロは、将来収入を我々に与えることにより
保証をする義務がある、うーんこれは正しそうだな・・


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