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作品名:あるシステムの敗北 作者:しろ

第7回   7
一年後、クーデターが起こり、ウタダ、ピロスエなどのシブチンがいっせいに粛清。
彼(女)らが占有していた数十億円の市場が丸々空くことになる。


予定通り、クーデタ前にあらかじめ準備された新人アーティストが
続々とデビューし始める。いわずと知れたボーニング娘たちである。

このアーティストたちは、シブチンと違い数多くの人の手を経て売り出されるので
利益のほとんどが、作詞作曲者、CM担当者、ドラマプロデューサー
売り出し戦略立案者、宣伝業者などの”プロジェクト施行者”に分配される、
きわめて”公共的なシステム”であった。

これらのアーティストに、数十億の購買力を持つ、
今までウタダ、ピロが好きだった層が、どっと流れるはずだ・・

今までウタダ、ピロスエのむちゃくちゃな昇給要求によって、
雇用、需要が停滞していた業界もこれで息を吹き返すだろう・・・。


しかし・・・


ウタダ失脚の穴埋めとなるはずの”システム”たちの新曲は全く売れず、
店頭には、売れ残りの山が築かれるだけであった。

ピロ失脚の穴埋めである”女優部門”も、全く同じであった。
ピロの後を襲って”システム”が出たCMはまったく反響無し。
かつてのピロのように、”○○グッズが当たる!”と
あおっても売れ行きはまったくあがらなかった。
同様に、”システム”主演ドラマも、全く話題とならなかった。


ファンだった者は、ウタダがいなくなったからといって
誰一人として、彼ら新人のCDを買おうとはしなかったのである。
ピロのファンもおなじであった

業界全体で、彼女達が持っていた売上がまるまる縮小しただけであった。


ウタダやピロを粛清しても、何の特にもならなかった
ど・・どういうことだ・・・戸惑うクーデタ組織


連中は、ウタダやピロしか受け付けないのか??

連中の圧迫がなくなったのだから、
とりあえず今のところ、同一キャラ内の最高レベルである、我々が売り出した
”システム”を支持するのが最良の選択ではないか?

どうして、消費者はそういう選択をしないのか?


それだけならば、まだよかった・・・


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