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作品名:Love in the Ice 作者:井上 悠華

第1回   1
『ったく、誰に似たんだか可愛くない子どもだよ!』

私が小さい頃から言われていた言葉の1つだった。

幼少期は、大人の…特に母親の言葉は絶対だった。

泣き虫だった私を見ては、母親がそう私に呟く…

(嫌われたくない!)そう思う私は、泣くのを我慢し続け笑顔を作り続けた。

『泣かないで、いつも笑顔でいるなんて可愛いね♪』

周りにそう言われると、私は嬉しかった。母も笑っていたからだ。
父も笑顔の私を可愛がってくれた。

父が私を可愛がるたび、母は『笑ってばかりで気持ち悪い。お前の笑顔なんて
誰も可愛い。なんて思ってなんていないんだ。』
と言われるようになった。父は変わらず『可愛い』といい続けてくれたが
毎日のように言われ続けた言葉に、
(私は可愛くない。泣いても笑ってもダメなんだ…)
と、思い込んでしまった。

幼稚園に上がる頃、私から笑顔が消えていった。

笑えば気味悪がられ、泣けば可愛いげがない。そういい続けられ
私を見る、関わる全ての人がそう思っている。幼き心にそう刻み込んでしまった。

人の目を見る事が怖かった…

人と話すのが怖かった…







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