木下 直美 27歳 既婚者 子供無し 木下の第一印象は癒し系である。
中肉中背で家庭も結婚して3年目で公務員の亭主と社宅で仲良く生活しているイメージを店では広めている。 また、生活費の為にスーパーで働いている訳ではないと言わんばかりに趣味はゴルフと金持ち度をアピールしている庶民である。
丸の内OLに憧れ度も強く服装もマーメードスカートに白シャツ。 ピンヒールなどで出勤着もアピール。
無駄な努力であるが見栄はりな彼女にしてみれば、このスタイルで優越感を感じている 彼女の見栄っ張り度とプライドの高さは渡邊よりも上だと言えるだろう。 「私は、レジじゃなく総務だから」 これが彼女の口癖である。 あくまでレジと認めない頑固者。 レジ=スーパーパート 総務=会社の事務 彼女なりの固定観念は譲れないらしい。 木下のネコかぶりな性格は、さすがB型ならでは。 一見、でしゃばりでもなく気が強そうな顔でもなく髪もセミロングでノーマルな栗色は違和感ない木下である。 まぁ、この印象はあくまで知り合って3ケ月までの話。 知れば知るほどアクの強い女。 そんな彼女の得意技は男性社員・バイトのメールアドレスを違和感なしで全て聞いているところと言えるだろう。 そう、木下は大の男好きである。
主婦であるが主婦として生きられない木下は、 いつでも恋したい女性である。 そしてなにより下半身の緩い女性だと言えるだろう。 「や〜ん!!」「本当なの?」「もぅ!!」 このような甘えん坊タイプを男には前面アピールである。 下唇の厚さと良い常に半開きの口と良い、 スーパーの冴えない男連中からはモテモテと言えるだろうか?? と言うより実際、 男連中も木下の性質を見抜いていたのかも知れない。 この女、欲求不満?男が相当好きだな? と男連中の間では影で噂になっていた。
木下の調子の良さは男ならず女性に対しても同様である。 八方美人と言う言葉とタイミングの良い人間と言う言葉は木下の為にある。 もともとレジ希望で面接して採用された木下ではあるがレジ主任である石山に日頃から口上手く天狗にさせては石山の事務仕事を何気に手伝っていた。 そのうち石山のする事務処理の仕事を覚えては石山が休みの時はバックヤードの小さな事務所で木村が書類の仕分け電話応対など誰からも頼まれていないが自分の仕事と定着をさせていた。 石山としてみれば気の利くパートだった。 そのうち石山は移動になり木下の思惑通り、木下は新チーフが移動してきても自分の場所は事務所と地位を広めて行った。 ここで渡邊も 「なぜ、あなたは事務所なの?」 と鋭い突っ込みを入れるが木下は何食わない顔で余裕の笑顔で返した。 「なんだかぁ〜 私は事務所付け総務で渡邊さんはカウンター付け総務らしいの。 石山さんが決めたらしいの。 だから 渡邊さんはカウンターでレジの総括してほしいらしいって・・」 「そうなの・・・しょうがないわねぇ」 死人に口なしとはよく言うが 既に移動してしまった石山に口なしである。 そんなこと一言も言っていない。 が言っていたように平然と言えるキャラがB型女の木村である。 そしてO型女に「ブタも煽てりゃ木に登る」指導方法も忘れていないから渡邊も「総括」と言う言葉に悪い気はしない。 いつの頃か「サイオス東中野店」では事務処理は木村の仕事と定着したのである。 その後も新入社員や移動してきたチーフが気弱なこともあり木下の暴走は悪化した。 うるさい渡邊もいない。 気弱なチーフや新入社員ではB型女のズル賢さに拍車がかかる。 木下はシフト作成と管理するまで成長した。 シフトで人数が足りなければ木村が独断で電話するなどしていた。 また、休憩も回すまでに成長した。 給料明細書に関してもパート達に手渡す作業も木下がするようになっていた。 もはやレジチーフである。 このような木下の態度にレジの女性からは評判はとても良くなく完全に嫌われている。 そんなことを知ってか知らずか木下の態度が変ることもなく相変わらず暴走である。 女に嫌われても男に好かれてれば良い木下は 複数の男性社員が出入りする事務所から離れることはない。 レジが夕方に混雑してようと人数が足りないなどで木下がレジ作業に対して助けることはないが事務処理に対しては違う。 各部門の男性チーフから頼まれたら快く 「はーい やっておきますね?」 と甘い声で一つ返事である。 それが残業であろうと関係なしで作業する。 そして事務作業がない時は事務所に顔を出す男性チーフと楽しくお話し。 またはレジ周囲が写すモニターを見ながら 「やーん レジ忙しそうだね?」 と他人事である。 勤務年数が長い木下は女から嫌われ度は群を抜いてナンバー1である。 「木下最悪」と言う話題だけでサークルでもできそうなくらい嫌われている。 逆をとれば木下のおかげで共通の話題がありレジ同士の人間関係は最高である。 レジの結束力は強まって行くのだった。 一方、木下のプライベートは 夫婦関係も良好を装っている木下は 「うちの主人は優しくて束縛することを絶対にしないのぉ〜 自由奔放主義だから助かるぅ」 「うち公務員だけど定時に帰宅なんて絶対に無理なのよね? 郵便局員なら定時帰宅できるけれど? うちの主人は郵政局勤務だからエリア管理する立場だから色々と大変みたーい」 どうして亭主が公務員の女房は、 こんなにも高飛車になるのだろう。 渡邊といい、木下といい、口を開けば 「公務員だから」が口癖である。 一般サラリーマンとはランクが違うと言いたかのように勝ち誇った表情であるがどちらにしても家も満足に購入できない社宅生活。 公務員と言え木下、渡辺、両亭主に決まって言えることは中途採用入社。 一流大卒のエリートとは立場が違うことを再確認するべき。 そして現実、パートをしなくてはならない時点で一般サラリーマンと何の変りはない。 自由奔放を優しいと良く捕らえるが悪く言えば妻に行動に感心なしと言うことである。 木下自身も内心では旦那の無関心な態度を寂しく思っていたのだろうか、その隙間を埋めるように木下は旦那意外の男性と飲み会など毎日のように過ごしていた。 とにかく1人になることがキライな木下。 仕事で遅いと深夜0時近く帰宅する亭主に内心違和感などは隠し切れなかった。 その隙間を埋めるには やはり男である。 最初は亭主の友達と個人的に飲み愚痴を話すところから始まり、アルコールが体に入るとだらしない木下は異常なほど男性にベタベタと甘える。 特技は甘えることだと言えるほどウルウル濡れた瞳で相手を見つめる。 それからは男と女である。 1回浮気をすると木下の奥に秘めた本能は暴走機関車である。 罪悪感と言うものは1回目浮気を実行するまでの感情なのかも知れない。 2回目からは狙った獲物が落とせた快楽。 木下は快楽を求めて3回目に運命を変える相手と出逢った。 日配部門のチーフ 神崎 大輔 27歳 日頃から事務所でくだらない会話をしていた 神崎から「彼女いないから誰か紹介してよ」 とこれまた下半身緩い神埼は軽く木下に相談を持ちかけた。 「いいよ?カワイイ子でフリーな子いるの」 快く神埼に木下は学生時代から友達である 由紀子を紹介して3人で仕事が終了後に顔合わせ。 神崎も由紀子も意気投合して簡単に付き合う結果となったのだが、 そんな付き合いも3ヶ月が限度で性格の不一致から神埼は由紀子に別れを告げ破局。 しかし由紀子としては神崎の一方的な別れを解することもできなく、まだ愛していることもあり未練がある。 復縁をしたいと紹介してくれた友達である木下に相談する。 「うん、そうなの?まかせて聞いてみる」 と快く泣いている友達由紀子を慰める木村。 ここからがB型女の怖いところである。 木下は神崎を飲みに誘った。 「由紀子、まだ未練あるみたいなの・・? 私のところにも何度もメールや電話くるの。 神崎さんのところにはどう?」 ここでも何度もメールや電話をしていないが過剰な説明である。 「あぁ・・オレのところにも少しメールくる。 ごめんね?木下さんに紹介してもらって迷惑かけちゃって・・・」 「ううん、恋愛関係は相性があるでしょ? こればっかりは付き合わないと分からないじゃない? だから神崎さんは悪くないと思うよ? 逆に由紀子の行動で神崎さん仕事忙しいのに 迷惑かけちゃって・・・こっちこそゴメンね?」 薄暗い照明のカウンターバーで 気持ち悪いほどの物分り良い女を演じる木下はウルウル光線で神崎を見つめながら話を上手く変えて笑顔で可愛い女を最大限に演じる。 なんともB型女ならではイヤラシイ攻撃ではないか。 狙った獲物は捕獲する。 女友達より男を選ぶ。 ゴメンね・・・悪くないことでも平気で謝れるあたりは感情少ない何を考えているか分からないB型女の典型的なスタイル。 過剰な証言もウソも罪悪感などないハンター木下である。 「あはっ、これ、美味しいぃ〜?!!」 怪しい空気を切るように意味なく料理褒め攻撃を切り出した。 この料理は先から食べているはずなのに。 女にだらしない神埼は90%木下のペースに落とされている。 人妻を女として意識はじめる言葉のフレーズは「旦那」である。 「旦那さんといつも帰宅時間遅いの?」 「旦那さんは何時くらいに帰ってくるの?」 などと聞いてきたら女は合図だと思った方がいい。 とかく女好きな男、男好きな女、互いの好物は相方(他人のモノ)と言うことである。 他人のモノとなると俄然に燃えるものである。 男好きな木下は神崎が友人である美由紀と付き合っていた過去がたまらなく燃え上がらされる理由である 一方、神崎はムードある店内とアルコールと木村の甘えた口癖に 「この人・・既婚者だよなぁ・・」 などと頭の片隅に思い描くと発情を抑えることはできなくなっている。 両隣に座る木下の白いタイトスカートから覗かせえるモモを軽く摩りながら神崎は、 あの言葉を口にしてしまった。 「木下さんがこんな時間まで家に帰らなくて旦那さん怒らないの?」 木下は微笑みながら自分の手を神崎の手に重ねて握り返し言った。 「あはっ、うん、、旦那も遅いし、遅く帰っても全然何も言わないの・・関心ないのかな?」 「こんなカワイイ奥さんを1人にさせちゃうなんて悪い旦那さんだね・・」 「神崎さん・・・酔っているの?でも、酔っていても嬉しい・・・」 アルコールで酔っている訳ではなく。 言葉に互いに酔っているだけ。 安っぽいトレンディドラマの主人公気取り。 キャバクラ嬢を思わすような木下の対処の仕方である。 この後、無意味に互いを舐め回すように見つめ合う2人が一夜を共にしたことは想像できるだろう。 美由紀の相談も軽く解除して、店舗では他人のフリしながら密かに時として微笑み、自宅では旦那に何食わない顔で微笑む木下直美。 旦那に不満と言えばほとんどない。 寛大な心で木下を自由にさせてくれる。 休日はセレブ気取りで表参道にショッピングを楽しみドライブする円満夫婦。 ただ木下直美がガマンできなかったことは旦那が淡白過ぎることであった。 セックスレスの関係をなしにすれば今の生活で満足している。 そんな不満な部分を穴埋めする相手が神埼である。 一方、神崎にとっても木下は都合の良い女なのである。 まだ遊びたいアブラが乗った男の神埼は結婚などに興味もない。 会いたい時にあって解消できる女が都合良かった。 だから木下にとっても神崎にとってもベストパートナーだったと言える。 しかし、そんな関係もピリオドを打つ日は必ず訪れる。 木下は子供を授かってしまった。 間違いなく神埼の子である。 神崎は、もちろん木下が子供を下ろしてくれるものだと思っていた。 2人の関係は不倫である。 割り切った遊びである。 そのことを承知で木下と関係を持っていたつもりの神埼だったが 木下は意外にも「下ろしたくない」と言葉を返した。 そのはずである。 木下は旦那に本当は不満を抱いていたのである。 会話もコレと言ってなく、 すれ違いな夫婦関係に不満を抱いていた。 夫婦ケンカも最近では途絶えることがなかった。 神崎は天罰が下ったのだと思うことで自分を宥めるしかない。 しばらくして木下はセレブを気取らしてくれた自慢の公務員であった亭主と離婚。 その後、店内のスタッフにも神崎と木下の関係は誰もが把握する。 そして誰もが「神崎さん・・ご愁傷様」と密かに思った。 木下の男好きは誰もが知っているほどである。 お腹に子供がいながら勤務することを辞めなかった木下は相変わらず神埼がいてもいなくても関係なく部門の男と食事に行くしメールも電話もする。 神崎としても遊ぶ女としては気にもしない行動であるが、 コレから自分の妻となると話は違う。 この女と今後は生活して行く・・と考えれば考えるほど後悔である。 火遊びも程々にしないと天罰が下ると言う事を身を持って知った。
その後 子供を出産ギリギリまで勤務をして退社した木下は 「公務員なの」と自慢のチャッチフレーズも消える。 セレブ気取りと遠い暮らしをしていることは言うまでもないだろう。 車もないからドライブも夢のまた夢。 神崎の休日は週1回あれば良い方である。 話す相手はまだ口の聞けない子供だけである。 今頃になって 離婚しなきゃ良かったと思う木下である。 そして木下が退社して半年が過ぎたあたりである どうやら木下は週3日ほど職場に復帰する噂が流れた・・・ 子供は実家に預けて職場復帰をするらしい。 やはり男がいない生活は無理らしい・・・・ また、新たなる祭りが始まりそうな予感がする。 第6話「男祭り木下の寿退社?」より
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