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作品名:誰も書かなかったロシア連邦サハリン州(樺太)の話 作者:しんたろ

第2回   サハリン州ドリンスク市(旧樺太)を知る・・2

10年ほど前にサハリンへ行った時の話である。
コルサコフ(大泊)港へ入港、もちろん日本でいう長いフェリー到着施設ではない、それは海に突き出した道路という感じのフェリー降り場、入管の施設もかなり古いその施設がロシアの印象をなお暗くする,
船の入国の許可はフェリー内の休憩所でロシア国境警備隊とフェリーの船長と20分以上かけて行われる、それが済むまで乗客は上陸はできない、上陸許可儀式がロシアらしさの象徴である。
出迎えのサハリンの友人達と面会、オーバーアクションで抱き合う。
車を走らせ2時間訪問先の施設へ到着ここで3泊の予定である。
部屋は狭いが掃除は行き届いている、ベッドに驚くスプリング製のハンモックがベッドである。このベッド見た目より居心地がいい2日目には慣れてしまった。
夜になると歓迎の宴会、トースト(乾杯の意味)の嵐、宴会は深夜まで続く、参加者が順番にあいさつ(ロシア風)そのたびにウオッカで乾杯をしあうのである。
ウオッカも飲むと結構おいしく感じる、どんなことにもすぐ慣れる自分の体質に驚く。
さてトイレの話である、トイレは洋式であるが便座がない、工夫すると案外使える、この事より水が少ししか出ないのには苦労する。(水は歯を磨くだけで便が柔くなる、飲んだらどうなるのでしょう)
夜は網戸がない窓を閉めて爆睡、日中窓が開いていたせいか蚊が飛んでいる、キンチョールは必需品。

※ ここ数年は宿泊施設も日本人が満足できる状態になっているのでご安心ください。
コンビニ風のお店もあります・・またまたご安心ください。

訪れる先の小さな町にはパン工場と乳製品の工場がある
訪問したパン工場は昔ながらの製法で結構売れるパンを作っている。
パンを丸めることを体験したのであるが、なかなか日本ではできない体験であった。
黒パンをはじめて食べたしんたろにとっては、少し酸味のあるパンは、異物でしかなかった。
社長の名はセルゲイ、誇らしげにコンテストで入賞したことを自慢する。
衛生状態は決して良いとはいえない、ハエが飛んでいるのが当たり前の工場、トラックに積み込む時は木箱にパンをそのまま入れて裸で運ぶのである(エコの見本ではある)
3年ほど前からは、日本での流通で見られるようにビニールに入れて
パンが流通し始しめている、もちろん手作業で袋に入れている。
伝統的なロシアのパンは日本人の口には、なじまなかった。

同じ町に乳製品の工場がある、入口で白衣に着替える、
ハエが窓から入って工場に飛んでいる。
ヨーグルトは実にうまいコクのあるうまさだ、さすがヨーロッパである、このヨーグルトの密輸をもくろんだ、2個のヨーグルトは無事税関を抜けた(乳製品の国内持ち込みはご法度である)。
我が家で何度もチャレンジしたが結局同じ味のヨーグルトにはならなかった、ケフィアとよく似た作り方なのかも。


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