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作品名:猫背 作者:夢中新聞

第1回   1
猫背気味だって注意されて、安いプライドに傷ついた。
歩き方くらい俺の勝手だろって。

いつもいつも、あてもなーく歩いてる。
一人で。
街を。

ファッションなんてきにしないから、
なんていうか、普段着よりゆるい格好で歩いてる。
あてもなく。
一人で。

いつもいつもいつもいつも、
同じなんだよね。どこもかしこも。

右も左も上も下も。

見飽きたんだよね。

でも、家にいてもすることないし。


この前さぁ、古本屋で天才少年をみかけたんだけど、

いや、なんで天才少年かって?

なんか、すごいスピードで、専門書みたいなのを読んでるの。

それみててさぁ、テレビ局の持ち上げてる天才少年ってのはなんなんだって

そう感じたわけさ。

円周率をいくらでも言える男の子とかさぁ、

趣味じゃん。やっすい趣味。

円周率を言う職につく気がないんなら、

それで鼻を高くすることもないんじゃないかって。

親も親でさぁ、鬼ごっこの方が健全だぜ。

本当に。

だから今日も寝てたんさぁ。

関係ないって?

いんや、関係ありありだね。こりゃ。



「夢中新聞 猫背気味の男のエッセイより。 http://muchushinbun.web.fc2.com/」


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