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作品名:ドラゴンエンブレム 作者:キョウスケ S

第7回   「修行の成果」


レンと瀬那がカラス天狗のところで修行して、もう一週間ほどになった。
ふたりは懸命な修行の末、ずいぶんと戦闘技術において最初よりも成長しつつあった。

「ずいぶん、戦士らしくなってきたではないか、レンよ・・・・」
「ああ、師匠のおかげで、大体の武術は体得したつもりだぜ!!」
カラス天狗はニヤリと笑うと
「ほほう、そうか。・・・それでは、そろそろ、お前さんたち二人がどれほど強くなったか小手調べしてやろうかの!」
と言った。
レンは、得意げに右肩に左手で腕をふりまわしながら
「ああ、いいぜ。おれの真の強さ、教えてやるぜ。」
というと、瀬那も調子に乗りつつ
「怪我しても知らないからね。お尻をさわられた分も含めて蹴散らしてあげるからね!!」
と豪語した。

「ならば、本気でかかってくるがよいぞっ!!」
カラス天狗は戦闘体制に入る。

「よおしっ!いっくぜぇ!!」
レンは凄んでカラス天狗に飛び掛っていった。

バキッ!! 

ガツッ!!

ズドォォォ!!

山のなかで、レンとカラス天狗のぶつかり合う音が鳴り響く。
両者とも互角の力でぶつかり合っている。

「ほほう、やるのう・・・。最初はワシの攻撃も満足に避けられなかった癖にのう。」
「へっ! それだけおれも成長したってんだよっ!!」

「じゃが、甘いわっ!!」
カラス天狗はレンの脇を攻撃する。
「くっ!!」
レンは体制を崩し後方へ退避したが、カラス天狗は後方の木をバネにレンに追い討ちをかけてきた!!
「わははは、お前は正面しか見んのか!!」
「なんだとっ!」
カラス天狗は目の前から瞬時に消えるとレンの背後に回り込んでいた。
「そこかっ!!」
レンは振り向きざまにカラスのあごをひじで攻撃した。
「ぐぬわぁ!!」
レンのひじをあごでまともに受けたカラス天狗は一瞬のけぞったが体制を立て直す。しかし、そこに瀬那の放った弓矢が3発飛んでくる。
「おおっとい!!」
カラス天狗はギリギリでそれもかわした。
「やるのう・・・。ならばこれならどうじゃ!!」
カラス天狗は必殺技体制に入った。
「烏丸流 源流千羽鶴!!」
・・・・いろとりどりの折り紙で折られたようなたくさんの折鶴のイリュージョンが、レンの視界をさえぎった。
「くっ、これは・・・?」

・・・・・というか、ふくろいっぱいに詰めた、折鶴をつかんではレンの顔に投げ、つかんでは顔に投げているだけだった。(あ〜あ、説明したくなかった・・・・)

「だから、なんなんだよ!!このおふざけわぁー!!もっと真面目にやってくれよぉ!!」

「どうじゃ!!きらびやかじゃろっ!!」

「・・・・」
瀬那はむこうで口をぽか〜んと開けてこちらを見ていた。

だが、カラス天狗はニヤリと笑うと右腕から空拳のようなものを繰り出してきた。

ブワァァ!!

「すき焼き!!いや、隙ありっ!!」
「!!」
レンは吹っ飛ばされ杉の木に背中を叩きつけられる!!
「レン!!」
瀬那はレンに駆け寄った。

「ほれほれ、おじょーちゃん、敵から視線を逸らすなと何度も教えたじゃろ・・・」
カラス天狗が今度は左腕で空拳を斬ると瀬那は脚を打たれたらしくその場にくずおれた。
「痛っ!!」

「瀬那・・・、大丈夫か・・・?」
レンは苦しそうに片目をつむったまま瀬那を気遣った。
「うん、大丈夫・・・。アイツの攻撃、見えなかった・・・」
ふたりとも立ち上がり体制を建て直すが、カラス天狗は余裕で両腕を組んでたたずんでいた。
「まだまだかのう、戦闘領域に気を張ることが苦手なようでは仲間も守れんぞい・・・」

「レン、あたしにいい考えがある。」
「えっ、どうする気だ?」
「あたしが師匠の視線をひきつけるから、レンは右手の「竜の力」を使い、攻撃してみて!!」
「よおし、わかった。しくじるなよ」
「オッケー!」

カラス天狗は鼻を掘りながら
「どしたー? もうおわりか〜?やっぱりワシには勝てんかの〜?」
と得意げそうにいった。

「まだまだよっ!!はああああっ!!」
瀬那は一心不乱に突進していった。
「血迷ったか!?無謀なことを!!」
カラス天狗は空拳を打つ体制に入るが、瀬那は即座に逆の方向へ走り出した。
「なぬっ!?」
瀬那は走りながら自分のミニスカの後ろに手をかけた。
(これだけはやりたくないけど、アイツに勝つためならっ!!)

「は〜いっ、カラスさ〜ん。瀬那のここに注目して〜っ!」
瀬那はスカートをひらひらさせ自分のパンツをちらつかせた
ミニスカから覗けてみえたのはピンク色の瀬那のおきにいりだった!!
「!!」
「ぬおおおおおっ!!おなごのっ!!」

「今だっ!!」
レンは右手に精神力を集中させ、気力ごと拳を振り上げた!!
竜の波動が拳に宿る!!

バキィィィ!!

「ふぉぐわアアア!!」

レンの拳は見事にカラス天狗の顔面に命中。カラス天狗は後方に10メートルくらい
吹っ飛ばされた!!
「しもうた・・・。つい、見とれてしまい、レンの殺気に気がつかなかったわい・・・って
これは反則じゃー!!」

「やっぱり、だめ・・・?」
「ダメに決まっておるじゃろーが!! 色気に喰われるのはワシだけじゃ!!これじゃためにならん!!」

「あちゃー・・・・何が「いい考え」だよ・・・瀬那・・・・。」
レンは頭をかかえ込む。

「もっと真面目にやれいっ!!」
「じゃあ、師匠も真面目にやれよ。さっきのなんなんだよ・・・?」

「ん〜〜。・・・・・・・すまん・・・・。」

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「そろそろ、本気で行くかのぅ・・・・・。おぬしらも本気でかかって来い!!」

「はあああああ・・・!!」
カラス天狗が精神統一すると身体から青いオーラが沸き出、顔つきが変わった・・・・!!

「やっと本気になったみたいだなぁ・・・じいさん!」
レンは身構えた。
「やだっ!マジ怖いんですけど!!」
瀬那は後図去りする。
「怖いなら、逃げてもいいぜ。俺はやる!!」
「馬鹿言わないでよっ!!ここまできて下がれますかっての!!」
瀬那も矢をつがえ身構えた。

「後には戻れんぞい。覚悟するがよいっっ!!」


そのときだった。
「見つけたわよ。青二才・・・・。」
聞き覚えのあるドスの効いた女性の声がこの戦いをさえぎった。

三人とも声のする方を見ると、空中に滞空している長身の女性の姿がそこにあった。

「ラム・スイーディ!!」
レンは叫んだ。

「なんで、あんたがこんなところに!?」
瀬那も大声で叫んだ。

「こんなところで何をして遊んでたの?。さあ、あたしの相手をしなさい!!
 今度こそ、地獄へ送ってあ・げ・る・わ!!」
ラムはそう言うと死神の鎌を構えてきた。

「なんじゃあ、あの女は・・・・・?」
せっかく、本気モードであったカラス天狗は元にもどると、邪魔されてしまったせいか不機嫌そうにレンに尋ねた。

「ラム・スイーディ・・・・。ウロボロスの配下の使い・・・・。俺たちをつけ狙う敵だよ!・・・まったくしつこい奴だよ。」
レンは半ばあきれかえりながら説明した。

「ほほう・・・」
カラス天狗はニタリと微笑した。

「あんた、ホントにしつこいわねっ!!。いい加減にしてよねっ!!」
瀬那は激怒した。

「ふん! あたしは狙った獲物は逃がさない性分なのよ!!。さあ、気持ちよく冥土におくってあげるわ!!」

ラムが鎌を振り上げたときだった。
ラムの胸に嫌な感触が走った・・・。
「ほほう、ええ胸しとるのぅ、ねーちゃん!!」
「いっ、いやあんっ!!」

モミモミ・・・・。

「むほっ!」

カラス天狗がいつの間にかラムの背後に廻り込み、後ろからラムのグラマラスな乳を揉みまくっているではないか!!
ラムはすかさずカラスのじじいに蹴りを噛ます。
「なにするのさっ!!この変態!!」

バキィィ!!

「はわ〜〜っ。よけるのを忘れたわい」
カラス天狗は草むらに吹っ飛ばされた。

「あ〜あ、ししょ〜・・・何やってんだか・・・・。」
「男ってみんな、そういうことするの・・・?」
レンと瀬那はカラス天狗の不真面目さにあきれかえっていた。

「よくもあたしに恥をかかせてくれたわねっっ!!許さないわよっ!!青二才がっ!!」
胸を隠しながら、赤面しながらレンに八つ当たりした。

「おれはなにもしてね〜つ〜のっ!!」
レンは理不尽な八つ当たりに対し、力説した。

「とっ、とにかく赦さないんだからねっ!!」
ラムは鎌を構えなおした。

「あ〜あ、もったいない胸じゃのお・・・」
カラス天狗はいそいそとレンのところに戻ってきた。
「師匠もあいつ蹴散らすの手伝ってよっ」
瀬那はカラス天狗に請願した。
しかし、カラス天狗は言った。
「いやじゃい・・・。ならばレン、瀬那よ。あ奴を倒すことによって、成長したことを示すが良いぞ。」

「よおし、やってやる!!さあ、ラム・スイーディ!!どっからでもかかってこいっ!!」
レンはファイティングポーズを取った。

「なめんじゃないわよ!青二才が!!」
ラムは鎌を振りかざし、突進してきた。
レン、瀬那はすばやく回避した。
瀬那はラムが通過した背後から光の矢を放つ。

「くっ!!」
ラムはギリギリで回避し、ひるがえって瀬那に狙いをつける。
「まずは貴様からだっ!!」

「どこに目ぇつけてんだよっ!!」

レンはすかさずラムの脇腹にパンチを噛ました!!
「ぐふっ!」
ラムは態勢を崩し地面に着地したがすぐに起き上がった!!
「腕をあげたわねえ!!面白くなってきたわ!!」
ラムの身体から黒いオーラが吹き出あの態勢に入る。

「サラマンド・ブラッディ-・サイズ!!」

「また、来たか!!」
レンはとっさに左手をかざした。レンの身体もまた輝くオーラにつつまれ、瀬那とともに光の膜につつまれた。ラムの放った黒い衝撃波はその膜に当たると反射して消えていった。
「こ、これって・・・・?」
『癒しの力』のみならず身を守る能力も発揮できるようになったことにレンは驚いた。

「な、なんだって〜!!あたしの必殺がきかないなんて!!」
ラムは焦り始める。

「よおしっ、これなら勝てそうな気がするぜ!!」
光の膜が消えると、レンはラムに突進した。
「レン!!油断しないで!!」

「おのれ〜っ、調子に乗るんじゃないよ〜!!サラマンド・ブラッディ-・サイズ!!」
「だから!! しつこいんだよっ!!何度も同じ手にやられるかっつーのっ!!」
レンはすかさずしゃがみ右ストレートをラムのあごに下から突き上げた!!
「ぐあっ!!」
ラムはそのまま、上空へ突き上げられる。
レンも飛び上がり、そのままオーバーヘッドキックを見舞う。
「いくぜっ!!回転竜尾脚(かいてんりゅうびきゃく)!!」
レンはコンポ技をつなげ、上空で廻し蹴りを喰らわした!
ラムは態勢を立て直せないまま地面へ落下しはじめる。
「おのれぇ・・・!?」
レンも一緒に地上へ落下する前に、右手拳に精神を集中させる。レンの右手には「竜の印」がくっきりと輝いていた。
「はああああっ!!しっかりと受け止めやがれっ!!竜牙正拳突き(りゅうがせいけんづき)だあ!!」

ズドオオオオオオオオオン!!

隕石が落下したような強い衝撃音が当たりにこだました。
地面はえぐられ、ラムはその真ん中にめり込んでいた。

「ぐっ・・・・ぐふっ!!」

「はあっ、はあっ、はあっ・・・・・」
レンもかなり体力を消耗していた。
「・・・どうだ・・・・。まだやるのか・・・・?」

「ま、まだまだよっ!!貴様に負けるつもりはないわ!!・・・・」
ラムがふらふらと立ち上がった。だが、彼女もまたかなりのダメージを受けていた。

「もう、やめろ・・・。こんな争いになんの意味があるんだよ・・・」

「なにを言ってるの?あたしは敵よ!!ウロボロス様に仕える、あんたの母を殺した敵よ!!」
ラムはレンをにらみつけた。

「だからって、今度は俺があんたを殺すのかよ・・・・」
「あんた、あたしと前に戦ったとき、「ぶっ殺す!!」って言ってたじゃない!?」
「あれはなあ・・・」

そのときだった。どこからともなく男性の声が聞こえてきた。
「情けないぞ。ラム・スイーディ・・・・。小僧の始末も出来ないとはなあ・・・・」

「くっ、あんた何しにここに・・・?」
「おまえが、のろのろと手間取ってるせいで、こちとらに出番が廻ってきそうなんだよ!!」
黒いローブに身を包んだ男らしきものがふたりのところに近づいてきた。
レンは身構えるので精一杯だった。もう、戦える体力は残っていない。
「手ぇ出すんじゃないわよっ!コイツはあたしが殺るんだ・・・!」

黒いローブの男はニヤリと微笑するとこう答えた。
「・・・・安心しろや。おれはアンフェアな戦いはしない・・・。今日はこの馬鹿を回収するだけさ。
命拾いしたな、小僧・・・・。」
そういうと、男はラムを抱きかかえて背中を向けた。
「何よ、降ろしなさいよ!!あたしはまだ・・・レン!!お前を殺すのはこのあたしよっ!!」
ラムはレンを睨みつけた。
「黙れ、馬鹿女が・・・・」

「お、おい、お前はラムに何をする気だ?」
レンが尋ねる。
「愚問だ。お前が知る必要はない・・・・。ただ、今言える事は・・・勝負はおあずけだ・・・」
そう言うと男はその場を去りラムと共に姿は見えなくなった。

レンは両手を見つめながらつぶやいた。
「すごい、確かに前より強くなっている・・・・。これが、竜の力なのか・・・。」


「レーーーン!!」
「無事かあーーー?、グラマーねーちゃんはどうした〜?」
瀬那とカラス天狗は駆け寄ってきた。

「すっ、すごい!!地面がえぐれてる!!」
瀬那は驚嘆した。
「レン、グラマーねーちゃんは、何処に!?」
レンは背を向けたまま言った。
「仲間が・・・連れていったみたいだ・・・ウロボロスの・・・」

「そうか・・・・。惜しかったのぅ。あのおっぱい・・・・・。」
「レン・・・・」
辺りは静まり返り、風だけが吹いていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

「もう、ワシはお前たちに教えられることは何もないぞい。・・・・合格じゃ!修行は以上で終わりじゃ」

「やった〜!!レン!!これであたしたち強くなったね!!」
「ああ、これでまともに戦えるぜ」

「ふたりとも、調子に乗るでないぞ。お前たちはまだ、少しだけ強くなったに過ぎん。これからも武術の腕を磨くことを忘れるでないぞ。おまえたちが強くなった分、お前たちに牙を向く輩もまた、強い刺客を送り込んでくるじゃろうて。厳しくなるのはこれからじゃ!!」

「ああ、わかってるよ・・・。ありがとうな師匠。・・・・ほんとなら本気モードの師匠と戦ってみたかったぜ」
「フン、調子に乗りおって・・・・。まだまだワシには勝てんぞい・・・」

ふたりはカラス天狗の家から出ると山を降り始めた。
振り返ると、カラス天狗が手を振っているではないか。

「カラス天狗って、いい人だねっ」
「そうか・・・?スケベなだけだよ・・・」
瀬那は両手で思いっきり手をふり
「ありがとーー!ししょー!!」
と大声でさけんだ。

一方、カラス天狗も手を振り続け、泣いていた。
「ああ・・・、瀬那ちゃんのつくるおなごの飯がもう食べれないと思うと切ない・・・。レンはどうでもええ、瀬那ちゃーん!!カムバーック!!帰ってきておくれーーーっ!!」

カラス天狗の悲しげな声が烏丸山にこだました。


第7話 END


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