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作品名:ドラゴンエンブレム 作者:キョウスケ S

最終回   23
蓮は真っ白な不思議な空間にいた。
「何だ?ここは・・・?」
辺りを見回してみる。
「瀬那!、姉さん! 、父さん!、じっちゃん!・・・・みんな!」
しかし、蓮の叫び声は遠くにこだましたまま、返事は帰ってこなかった・・・。

「あ〜あ。俺って、毎回変なところにいることがあるよなあ・・・・。
今度は何だ? ・・・・巨大な化物とか出てくんじゃないだろーな・・・・」


『蓮・・・・。残念だが、そんなものはでてこないさ・・・・』
突然、近くから蓮に話しかけてくる声が聞こえた!

「うわあ!!何だ!!誰だ!?」
蓮は慌て驚き辺りをしきりに確認する。

『そんなに驚くなよ、いつも一緒にいるくせに・・・・』

「はぁ!?」

すると、目の前に蓮と同じくらいの年頃の少年が姿を現した。
髪の毛は緑色っぽく、真紅の瞳を光らせニヤニヤしながら蓮を見ていた。
「・・・おまえは・・・!?」

『ルイード・・・・お前に宿りし、竜神ジークフリートの息子。
お前に力を与えているものさ・・・・』

蓮の瞳は大きくなる。
「おまえが・・・・ルイード!?」

『そう・・・。この前はありがとうな。
お前があの行動を取らなければ俺は消滅していたかもな・・・」
蓮はあの夢のことを思い出した。
聖域(サンクチュアリ)と呼ばれるあの夢に出てきた世界。
レインと名乗る不思議な修道女にあったこと。
自分が天からの声に従い、神殿の中心を目指したこと。


「そっか、あの時・・・。」



『ところで、蓮。・・・お前はどうするんだ?これからも運命に従い戦い続けて
行くのか?』

「俺は・・・・」
蓮はしばらく黙り込み考え込んだ。


ルイードは話を続ける
『お前の親父さんはお前を宿命に沿って戦い続けることを望んではいないみたいだけど・・・。正直、俺は反対だね。俺は戦い続ける・・・。そのためにみ父(ジークフリート)から命を受けここまでお前に力を貸して来たんだからな。』



「俺は・・・・」
蓮はうつむく。



その蓮の態度にルイードはイライラした。
『どうしたっ!蓮!!ここまで来たのにもう怖気づいたのか!?』


すると蓮は声を震わせながらこたえた。
「・・・俺は、救えなかった・・・。愛鈴を・・・・姫香も・・・・
俺なんかじゃ、世界は救えないかもしれない・・・・だから・・・」

その言葉にルイードは目を見開いた。
そして、蓮を思いっきり殴り飛ばした。


バキッ!!


ズシャアア!!


『ああ、そうかい!!お前はもう、終わりか!?このまま、姫香が帰ってこなくてもいいのか?瀬那が見た夢のとおり、世界が滅びちまっても良いっていうのか!?』

蓮はゆらゆらと立ち上がり、ルイードに向かって来た。

そして・・・。


バキィィッ!!



ドシャアアア!!



逆に蓮もルイードを殴り飛ばした。
「馬鹿野郎・・・!!
だからって、俺は諦めるつもりは無い!!たとえこの身がどうなろうとも
ウロボロスは倒す!!組織は壊滅させる!!姫香を救い出す!!瀬那が見た悲しい
未来なんてまっぴら御免だっ!!」


ルイードは血のにじむ唇をぬぐい、微笑んだ。
『そっか、だよな!!そう言ってくれると思っていたぜ・・・』
蓮はルイードに手を差し伸べた。
「ルイード!!俺にもっと力を貸せ!!
滅びの日だかなんだか知らないがこんな現実、俺がぶっ壊してやるっ!!」



ルイードは蓮の手を握り立ち上がった
『いいぜ、相棒!!地獄の底まで一緒にいてやるよ。
俺の力、引き出したいならもっと強くなれ!!蓮!!』

「わかった・・・・」
蓮は深くうなづいた。

『頑張れよ・・・。楽しみにしてるぞ・・・・』


蓮の夢はそこで覚めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方その頃、姫香ことダークアストレアは・・・・。

「精神の調整」のため、大きなシリンダー水槽の中に入れられていた。


「調整はどうなのだ?」

ウロボロスの四天王NO,1こと「ヴォルフガリオ」が邪神官エビルバースト
に尋ねた。

「・・・闇の精神波を注入している状態ですが・・・。
流石は「竜の印に導かれし者」・・・精神力が強く、完全に姫香の意識を封じ込めることが困難な状況です・・・・」

「そうか・・・。」
ヴォルフガリオはシリンダー水槽に入っている、姫香を見つめた。
姫香は昏睡状態だがわずかに唇が動いていた。
「・・・れ・・・ん・・・・おにい・・・・ちゃ・・・」

「小娘は使えるのか?」


「・・・・はい、まだ、調整は出来ます。
ダークネスシードを調合すれば、精神をコントロールできるようになれるかと・・・」



「『ダークネスシード』・・・・
あの『バーサーカーの種』は使い物になるとでも言うのか?」


「・・・はい、7割以上の確率で統御可能です・・・・」


「ふん・・・・。失敗はするなよ・・・。姫香の力は我々に必要なものになる。」


「御意・・・」


ヴォルフガリオとエビルバーストが話しているあいだで、シリンダー水槽の中の姫香の目からは涙がこぼれていた。
「・・・た・・・す・・け・・・て・・・レ・・・ン」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




チチチチチ・・・・



窓から差し込む朝日の眩しい光が寝ている蓮の顔を照らしていた。
その眩しさに気づき蓮は目を覚ます。
「・・・夢か・・・。」
蓮はゆっくりと起き上がった。
「・・・でも、夢じゃ・・・ねぇ・・・」
夢の中で殴られた右頬にかすかな痛みがあった・・・・。
「・・・起きるか・・・」

蓮は着替え1階のロビーに降りていった。
台所では瑞樹と美沙が朝食の支度をしていた。
「あ、蓮おにいちゃま、おはよ!」
美沙がニコニコしながら駆け寄ってきた
「よお、美沙、おはよ〜」
蓮の声に瑞樹も気が付き、振り向いた
「あら、蓮、起きたのね・・・」
「おはよ、姉さん・・・あれ、父さんは・・・?」
蓮が父、豹童の行方を尋ねると瑞樹はクスッと笑った
「お父さんなら、外にいるわよ。」


「そっか」
蓮はそう言うと豹童のいる外に出た。




豹童は朝日に向かい背伸びしていた
「ああ〜っ、昨日はよく寝たぜ。やっぱ我が家はいいなあ!!・・・なあ、蓮!」


「俺が背後にいたことわかってたか・・・さすが父さん・・・おはよ・・・」

「おう、おはよ!、よく眠れたか?」

蓮は豹童と一緒に並んだ。


「父さん、・・・俺・・・」
蓮が語りかけようとした途端、豹童も口を開いた
「なあ、蓮、おれは・・・・ちょっとわがままだったかな・・・・。
あれから、いろいろと考えたんだが。
響子がいなくなってから勝手に家を出て、ウロボロスを倒すと粋がって、
ひょっこり帰ってきたと思ったら、オヤジともめて・・・・。
蓮の意志も聞かずに、勝手に自分のエゴ(理念)を押し付けてさ・・・・。
お前の未来は、お前が決めることだもんな・・・。
家を出て行った俺が口出しできることじゃない・・・」


それを聞くと蓮は切り出した。
「父さん、聞いてくれよ。・・・・俺はこれからもウロボロスと戦って行くつもりだ。
運命とか家柄が決めたことじゃねぇ。
俺自身が「自分で決めた道」なんだ。
・・・このまま、姫香を放っておきたくない。
できるかどうかわかんないけど・・・、姫香を助け出したい!!
それから・・・俺一人じゃ、世界は救えない・・・
だから、瀬那、美花、北条やみんなと力を合わせて守って行きたいんだ!」



豹童はニヤッと笑った
「・・・だろうな。蓮、お前らしい答えだ・・・。
俺は反対しない。むしろ嬉しい・・・・。
このまま、すべて投げ出したら父親として情けねぇしな・・・・。
わかったよ、蓮、お前の気持ち、この豹童しっかりと受けとめたぞ!」



「父さん・・・。」
蓮にも笑顔が溢れた。




「だとよ、オヤジ・・・・」
豹童がそう向こうに声をかけると辰次郎が姿を現した。
「蓮、おまえ・・・。」
辰次郎の目からは涙が溢れていた。

「なっ、なんだよ。泣くなよじっちゃん!!」

「このバカタレが・・・、うっ、うっ・・・ワシはうれしい・・・。
蓮がこれまでにしっかりと決意を固めておったとは・・・」



蓮は照れつつ答える
「へっ、ここまできてやめられるか!!
おれはこの身がどうなろうともこの道を貫き通すつもりだぜ!」




パチパチパチパチ・・・



蓮の背後から拍手が鳴った
振り向くと、北条、美花、瀬那、ミィミ、ラム、瑞樹と美沙がいた。


瀬那
「うん!そう言うと思ったよ、蓮クン。さすがアタシの恋人だねっ!」

美花
「蓮様、この播磨美花、全力でついて行きますわ!」

北条
「早乙女蓮、英雄(ヒーロー)気取りするなよ。この北条正光がいてこそ『竜の印』は成り立つのだ。」

ラム
「今更・・・だけどね・・・。蓮、私はあなたに全てを掛けてるのよ。途中下車は無しよ!」

ミィミ
「・・・蓮、カッコいい・・・・」

蓮は自分の話がみんなに聞かれていたことを悟り、赤面する。
「な〜!!なんだよぉ!!はずかしいだろーが!!」
周りは談笑に包まれた。




「さあ、みなさん、ご飯にしましょ!
瀬那ちゃん、美花ちゃん、北条くんも一緒にどうぞ」
瑞樹はみんなに朝食を取るよう薦めた。



瀬那「は〜いっ!いっただきま〜す!!」
美花「すみません、ご厄介になります」
北条「ああ、瑞樹嬢のモーニング(朝食)のお誘いを受けるとは・・・この北条、大変光栄です!」





みんな、瑞樹にうながされ、家に入っていく。
その時、蓮は瀬那を呼び止めた。

「瀬那、ちょっといいか・・・・。」


瀬那は振り向いて返事した
「ん?なあに、蓮クン・・・?」




蓮はみんなが家に入るのを確認して誰もいなくなってから、
瀬那をじっと見つめた。

あまりにもまじまじと見つめられた瀬那は赤面する。
「な、何よお、蓮クン・・・」
蓮は微笑み、話を切り出した。
「瀬那、俺は・・・お前が最初に話していた予知夢の中の『絶望の未来』になんかさせない・・・・。
俺は、この手でみんなと未来を切り開いていく・・・。
みんなが希望に満ち溢れ、笑顔でいられる世界に・・・!

だから、その・・・いつもそばに居てくれ・・・・。
俺の支えになってくれ。
俺は、全力でおまえを守るからさ・・・・。」



瀬那の心臓は高鳴り、顔はりんごのように真っ赤になった。
「そ、それって・・・・!?」



蓮は瀬那に寄り添い、唇を合わせた。




「・・・・これからもよろしく・・・なっ・・・」
蓮は照れつつ笑顔でこたえた。



瀬那も蓮のその大胆な行動にときめいたが、冷静さを取り戻すと
いつもの調子で返答する


「よろしくねっ!!蓮!!一緒に世界を守って行こうねっ!!」





蓮は支えてくれる仲間たちを信じ、
これから臨もうとする試練に立ち向かい、
『明日へ向かおう』と決意するのであった・・・・。



               ドラゴンエンブレム 〜完〜









〜あとがき〜

どうも、作者のキョウスケ・Sでございます。
ここまで、「ドラゴンエンブレム」をご拝読頂きまして
誠にありがとうございました。
私のような小説の知識も無い素人の作品をお読みいただきましたこと
感謝しております。
この小説を書きはじめて1年になりますが、誠に勝手ながら
そろそろ「休止」したいと思います。
内容的に良き評価やご指摘をいただき、ここまでやってこれました。
これもみなさんの応援のおかげであると思います。
共に作品作りを手伝っていただいたSUUさんにはこの場を借りて感謝を申し上げます。
ありがとうございました。

本当ならば、ストーリーはまだまだ続くのですが、
現在、筆者は非常に忙しく、なかなか執筆活動に取り掛かれない状態です。


もし、続編をやるとしたら、そのために案をゆっくりと練り、
構想を膨らませ準備が整えば「続編」をやろうかと思っています。
(今のところ未定です)




〜この作品を作ることになったいきさつ〜
もともと、親友がスカイプで小説を描いていたのを参考に、自分流で描いてみたら結構、良い評価を受け「どっかのサイトに掲載してみたら?」ということで
このサイトへ掲載することになりました。
小説の内容については、当初「中二病」的な内容だなあと思いましたが、どこまでやれるか試してみようと言うことで、親友と世界観、登場人物、設定を構築しこのような形に仕上がっていきました。
自分は小説の文体法や表現法がわからないので書いているうちに、誤字や脱字、言い回しが変になったりと、失敗だらけだったと反省してます。
(読みづらかったところもあったかと思われます。スミマセン・・・)



〜本当は・・・・〜
この小説の内容は『親友の頭の中に浮かんでくる想像をもと』にストーリーを作っていきました。まあ、流石にやっているうちに考え方が違っていたりで(特に瀬那の設定は大幅に親友の考え方とちがっていました・・・)訂正したり、調整したりで結構大変でした。
内容的には親友の描き出した世界の物語なので、自分が一番好きなジャンルではありません。
(まあ、書いてて楽しかったですけどね・・・)
私が「自分の小説」を書くとしたら、SFものがやりたかったですね。
(自分は某ロボットアニメのファンなので、そういうものが登場する世界観が好きだったんですが・・・。
この作品にはまったく登場できない内容なのであきらめました・・・・無理に登場させたら世界観が壊れますからね・・・)
時間と余裕があれば、SFモノで小説を書きたいです。
(その前に続編を描けと言われるのがオチですが・・・)






ドラゴンエンブレム・・・続きが気になる方もいらっしゃるとは思いますが・・・
まあ、あとはご拝読いただいた方のご想像におまかせいたしまして

月並みですが、この挨拶を持ちまして、締めさせていただきます。








ご拝読頂きまして誠にありがとうございました。




            平成24年 12月       キョウスケ・S


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