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作品名:ネオ・反復の時 作者:くーろん

第12回   父の回想6
ハードな研修を終えて疲れてベットに倒れ込んだ零人。
Emotion AIがベットの彼にIoTから彼の耳元に音楽を流す。
彼が固い独語に顔しかめると軽い日本語に変わる。

♪ 僕はこの世で一番幸せな人間なのさ
 お金なんかより、良い気分の方がずっと大切なんだ
 今日は何かある、今日は何かある
 何か素敵な事が僕のところにやってくる。
 心が躍って、自由で、浮き浮きしているんだ
 何故か、そしてどうしてか僕にははっきり分かるんだ。
 今日は何かある、今日は何かある
 何か素敵な事が僕の所にやってくる♪ 

 ♪ 僕には突然の予感がするのだけれど、
 それはただの錯覚なのだろうか
 僕はどこかで大きな幸せに巡り合える。
 それはこの朝かもしれない
 それは明日の朝かもしれない
 それとも次の瞬間なのかもしれない♪ 

 ♪ そうなんだ、恋を見逃しやしないさ
 恋こそ、人生を素敵にしてくれるんだ♪ 

零人は耳を流れる歌に二コラのことを思って苦笑した。 
あの研修をやり遂げることができたのは確かに二コラのインセンシテブがあったからと思えた。それは性刺激的であった。二コラへの恋心へ向かう可能性が広がるのを彼は見ていたが一瞬でストップさせた。
二コラは仕事の関係だけでそれ以上は求めてはいけないという何か直観めいたものが彼に働いた。安易に自分の生きている住んでいる仕事をしている身近な世界に恋を求めるというのが彼には安易な事でつまらない結果になると思えた。

そんなときに、携帯に入った斜人の声がBluetoothのIoTを通じて聞こえてきた。
会長の病気が急変して入院したので零人に話がある、今すぐ来てほしいということで、斜人が車で向かっているということだった。

零人がベットから飛び起きて窓から下を見ると車を降りる斜人と目があった。


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