谷田貝室人は銀行で預金残金5万円を引き出した後に、路上で突然発作に襲われ倒れる。偶然にそこに居合わせた銀行員麻衣は口座解約をした室人の後ろ姿に同情していたので駆け寄って室人の最後に立ち会うことになる。そんな室人は今わの際に夢を見る。
夢の中で室人は中学3年の春の教室に居て、放課後掃除を一緒にした白鳥可奈子を意識する。室人の恋心が芽生え、可奈子への手紙を同級生の加山サナエに託すが、可奈子は受け取らなかった。一方、可奈子は転校生の早川零人と公園でキスしそうになるが、公園へ向かう途中の二人とすれ違った室人は嫉妬を感じる。その後、室人と零人の殴り合いのケンカを止めさせようと可奈子が服を脱いで素っ裸になろうとしたことが学内で問題となる。零人は不登校となり、大企業の社長の愛人だった母親が白血病で死ぬが、通夜に社長の父親は来なかった。一方、室人は卒業式の鼓笛隊の練習中にバトンガールの川名アザミに性的興奮を感じるが、可奈子への思いも捨てきれず、高校入試の合格発表を見た帰りの駅のホームで可奈子を見つけるがデートに誘えなかった。
室人と可奈子は別の高校になるが、同級生の一ノ谷偕人が可奈子に好意を持ったが、可奈子の気持ちは平田斜人に向いていた。可奈子の関心を買うためにローラースケートパークの包囲円で囲んだ偕人であったが、スケボーの斜人によって包囲円は破られ悔しがる。斜人のスケボー演技が文化祭に選ばれたが演目発表の時間になっても斜人はついに現れなかった。失望した可奈子だが、文化際に来ていた室人がフォークダンスで可奈子とペア―になったことで、室人のデートの誘いを受け入れた。１回目のデートの後のハロウイン祭りの夜に可奈子はペルソナの鏡部屋の館で行方不明となり、どこからともなく「ニヒル言うぞー」という声がした。3日後の２回目のデートに可奈子は来ないで、サナエが可奈子のお別れの手紙を託されて冷たく言い放ち室人は失恋して悲しむ。その頃、老朽化した公務員住宅に住む可奈子の両親の白鳥伍郎と京子は可奈子の夜遊びに困っていたが何とか音大に進学させようとする。そんな可奈子は校庭の木陰でサナエから突然に百合告白され、テニスコートの控え室でキスするが、サナエのほうはハロウインの夜に起きた可奈子の出来事を知り、誰にも言えないテニスコートの誓いをする。
大学生になった室人は理系から文系の化学哲学に転部して匂いを研究しているが、母親が駆け落ちして両親が離婚して叔母の養子となる。助教の佐野に勧められて一緒に風俗へ行くが、佐野のほうは一緒に田加賀教授の院生をした今はポン引きをしている掛井に会う。室人のほうはストリップ劇場に行き仮面のストリッパーに忙殺されるが、仮面を取ったアザミと再会して一夜を過ごす。翌朝アザミから近く偕人と結婚することを知らされるが、アザミも室人のほうへ心が向かい、二人は逃避行しようとする。しかし、駅にアザミは来ないで室人は一人彷徨いながら北国の路上の新雪に二人の名前を記して失恋の悲しみを埋める。一方、アザミのほうは大コンファレンス会場の末席で偕人に別れを告げた後にバイクでいずことなく去って行く。
会社員になった室人に叔母の持ってきたお見合い話は偶然にも可奈子だった。室人は音大を出たピアノの先生の可奈子と再会した。室人は貧乏な可奈子に優越感を感じる。結婚を申し入れるが可奈子からは無しのつぶて。一方、可奈子はバイトでクラブラウンジのホステスをしているが、客として来た偕人が愛人になるように誘うが断って、室人とクリスマスに会うことを決める。クリスマスの夜、室人は昔ハロウイン祭りの夜に可奈子は弐蛭幽三の呪いで魔法をかけられたことを知る。そんな可奈子を見て室人は魔法を解く王子様になろうと連れ込みホテルで頑張ろうとするが、バージンベルトのパスワードがわからずに不首尾に終わるが、可奈子のストーカー深井壁人と出会い、自分より深い失恋感情を抱く男がいることを知る。可奈子も室人に失望して、サナエと百合をして、弐蛭幽三の女の後家緑綾子から渡されたサタンの角で埒をあける。翌日、可奈子はピアノの仕事で行った船上結婚式で大会社の社長となった零人と再会する。その夜、室人から可奈子に電話があるが、可奈子は会うことを断りお見合いを解消し、切れかけたネオンを見て室人との関係が終わったと思った。
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