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作品名:反復の時 作者:くーろん

第97回   97
クリスマスの夜景の中を見ながら室人と可奈子はスカイラウンジのソファで座っていた。隣のパーテイ会場から少し話し声が騒音となって伝わって来る。

室人「今日はきみに逢えてよかった。こうしてきみと二人で座っていられるのが幸せだ。ぼくは社員研修のあった週の後に何度もきみに連絡を試みたのにどうして逢ってくれなかったの?」

可奈子「、、、、、、、、」

室人「ぼくがきみと西洋美術館で逢った日に言ったこと考えてくれた?ぼくはきみの気持ちが知りたい。ぼくはもう一度言うよ。ぼくと結婚してほしい」

隣の会場から突然クリスマスジャズが流れ始め、騒音のトーンが下がる。

可奈子「私のことを何も聞かないと言ってくれるかしら」

室人「それよりきみの気持ちがどうか、本心を知りたい。ぼくと結婚したいかどうかはっきり返事をしてほしい」

可奈子「どうして私のことをそんなに知りたがるの」

室人「いや、ぼくが知りたいのはぼくと結婚したいかどうかというきみの気持ちだ。白鳥さん、ぼくたちは中学校からの知り合いで、デートをしたこともある。でもきみとは突然に連絡が取れなくなった。でも今お見合いをしている。間に入っているお仲人さんもいることだから無責任でいい加減なことはできないいいだよ。きみには答える責任と義務があるよ」

可奈子が憤慨して「どうして私を責めるの、やめてよ」

室人が慌てて「別に責めたりしていないだろう、きみが気持ちを明らかにすればいいだけだろう」

可奈子「だから、そうやって責めているでしょう。あなたはいつも私を責めているでしょう」

室人「どうしてそう言うの。ぼくがこんなに結婚したいと言っているのに。責めたりしていないのに」

可奈子「言わない、言いたくない」

室人「それではぼくたちのことは今後どうなるんだ」

可奈子が突然泣き出した。

その時、暗雲が空に広がりはじめ、突然にザッという音ともに粗い雹の粒が高層階の窓をたたく。それが繰り返し2、3回と続く。
涙を拭こうとしていた可奈子が突然の雨音に子供が驚いた時のように上目遣いで窓のほうを見る。
その後、彼女は心が決まったかのように室人のほうを見て「谷田貝さん、プロポーズありがとう。わかったわ。私の話をまず聞いて」

雹の降った後に閃光が夜空を走ると落雷がある。隣のパーテイ会場からも驚きの声とざわめきが起きる。

しかし、可奈子の顔は落雷の光を受けても動じることなく室人のほうに向けられていた。

ニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞー

「なんだ、この陰気な暗い気分にさせるこの雰囲気は。一体どこから来るのか」と室人は思った。

可奈子「私が高校の時にデートに行かなかったのは、ハロウイーンの夜に私は凌辱されたからです」

室人は唖然として可奈子に返す言葉がなかった。可奈子が薄暗がりに中で般若顔になっているのに室人はビックリした。彼女は彼の言葉を待つことなく話を続けた。

ニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞー

真っ暗な闇の空間、錆びの臭いと湿度を感じる。空調機の換気の音がする以外何も聞こえない。換気してもこの湿度と錆びの据えた臭いは除けない。耳をすますと時々雫の音がする。

私は地下室のような場所に横たわっていて目覚めた。つぎの瞬間に突然目の前が明るくなりスポットライトのような強い光を浴びていた。私は裸にされて横たわっているのに気が付いた。私が上半身を起こすと多くのハロウインのコスプレのピエロが見えたので裸の自分を手で隠した。ここで私は犯される、犯される、犯されるという思いが、さらにその後で私は殺される、殺される、殺されるという恐怖が襲った。ピエロたちは私を取り囲んで数メートルの円陣を作っていた。一人のピエロがこの女を破瓜させろと執拗に迫って来る。もう一人のピエロがオレの番が先だと腰を振りながら言い張る。二人の争いが暗い地下室で怒号のように響く。他のピエロたちも興味を持って覗き込みに来る。

一人がオレが一番乗りだと私を押さえ込もうとしたときに
「やめろ!」と言う声がして地下室の暗闇の中から大男が出てきた。その男は黒い長いマントで全身を覆って黒いサングラスをしていたが白い顔で白髪だった。
男が近づいて来ると私の周りに集まっていたピエロたちが後ずさりして行った。

「ボスのお出ましたか、初物はどうぞ、ボスが先に割いて、どうぞ、どうぞ」とピエロは慇懃にへりくだった。黒いサングラスの大男が一番乗りで争っていたもう一人のピエロをにらむと、そのピエロも後ずさりして地下室の闇に消えた。

男が私に近づいて来たとき、黒いマントの下は裸のようで、男の異常に白い長い手足が見えた。男が「白鳥可奈子さんだね。オレは弐蛭幽三だ」と言った。

弐蛭幽三の声は優しく、優しい顔に見えたが、黒いガウンの下から彼自身の細長い器官を出すと私を押し倒した。私は泣きながらも彼の言うようにお若気をよく見えるように姿勢を取るしかなかった。
弐蛭幽三はお若気が彼の気に入った姿勢にあることに満足すると何するものぞと言わんばかりに細長い白い器官で私を裁尾した。
私は裁尾される恥ずかしさと痛みと恐れとおののきに耐えながら弐蛭の裁尾を受け入れざるを得なかった。私は弐蛭の欲望の前で一匹の弱い動物になっていた。弐蛭の裁尾は鑢をかけながら長かった。取り巻くピエロたちは弐蛭が裁尾から首尾に至る腰をひねる瞬間を人目見ようと懸命に集まって来た。しかし、弐蛭は裁尾から首尾へと至ることはなく、裁尾で埒を空けてしまった。
「ボス!なぜなんだ!なぜこの小娘を摘み取ってしまわない。ボスが埒を空けないのならばオレに首尾させて破瓜させてくれ」と先ほどのピエロが出て来て言った。

私は凌辱の恥ずかしさと悲しみに床にひれ伏してただただ泣くばかりである。

弐蛭が何も言わずに闇の中に入ったので、数人のピエロが再び私を取り囲んでボスが俺たちに残してくれた獲物の残りだと言わんばかりに襲いかかって来た。

闇の中から「やめろ!」という弐蛭の声が再びしたのでピエロが手を離した。

弐蛭が闇の中から一人のボンテージの40ぐらいの女と再び現れた。
その女は私の近くに来ると「可奈子さん、私は御家緑陵子よ」と言った。
御家緑陵子が言った「幽三さん、私にこの子をくれない。私は女のやり方でこの小娘の若さを散らせたいのよ」

弐蛭が言った「女王陵子、あなたもピエロたちと同じようだな、でも可奈子のことはオレが決める」

そう言い終わると、弐蛭はサングラスを取りマントを脱いで全裸になった。
赤い目、真っ白な肌、白い髪だった。弐蛭はアルビノだった。透き通るように白い肌。しかし、光を避けて黒いマントに身を包まねばならない。

弐蛭がピエロの一人に「あれを映せ」と言った。

暗闇の中にスクリーンが現れそこに一人の裸の幼児が映し出された。その男児は真っ白で赤い目をして真っ白な髪をしていた。

「これは昔のオレだ」

一人の中年男と二人の若い男と若い髪の長い女が映し出された。中年男が二人の若い男を親嘴していた。若い女が親嘴している男を鞭打っている。親嘴されて奮い立った二人の強蔵は凄まじい剣幕でその幼児に襲いかかっていくのが映し出された。

その後、幼児の小さな白い手が大きな強蔵二人に挟まれて見えた。まるで手を振って助けを求めているようだった。そこで映像が切れ、スクリーンが白くなった。止めろと言うと弐蛭が続けて言った「オレの親父は資産家だったが、変態だった。オレは幼児のときにこの児童ポルノを撮られた。4歳にして何もわからずにその日に凌辱された。そして暗黒の暗闇へと突き落とされた。そして今も暗黒の闇に生きている。オレの皮膚が光を避けるようにオレも闇世界を生きてきた」

弐蛭の赤い目が潤んだ「オレはこうなるしか選べなかった。オレは可奈子を見て思った。この女子を破瓜することなく裏門のみで暗黒の世界につなげたのは彼女の運命を彼女自身に選ばせるためだ。お前はどこでも好きな所へ行けばよい。しかし、オレにはお前は必ず表の世界に絶望してオレの裏世界へと帰って来るような気がする。

ここにバージンベルトがある。これを装着して表世界の破瓜によって幸福を勝ち取るか、絶望して裏社会に戻って来るかはお前次第だ。オレは可奈子が戻ってきたならば闇の女王として迎えようと思う。どうだろう」

先ほどのピエロの一人が「ボスはロマンチックだな、オレはこの小娘は暗い闇の裏世界を知ってしまったからオレたちのほうに戻ってくると思う。」

ピエロたちの中にざわめきが起き、賭けが始まった。

御家緑陵子が言った「幽三さんはこの小娘には甘いのね。腹が立つわ、私は可奈子をもっと楽しみたかったけれど仕方ない。まあ表の世界に戻ったところで苦労するだけでしょうが。女の私には彼女がこれから背負う苦しみがよくわかる。だから私も一つ可奈子に持たせるものがある。これはサタンの角。これで時々は裏の暗黒世界のことも思い出して自分を慰めるのね」

弐蛭幽三が最後に言った「以上で終わりだな。今日のことは覚えておこう」

私はその後のことは覚えていない。気が付くとあの館の近くのベンチに座っていた。
あれは夢だろうかと思った。下半身に装着してあるバージンベルトに気が付くと青ざめた。

私は凌辱された、凌辱された、凌辱された、凌辱された、ニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞーニヒル言ぞー


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