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作品名:反復の時 作者:くーろん

第40回   40
集団に属する者はその集団に特有の共通の雰囲気を持っている。
会社、学校などの集団に属した者は知らず知らずのうちに、その会社なり、その学校なりの色に染まっていくものである。
高校において新入生は同じ中学の出身者には共通の雰囲気があり、いくつかの出身中学の雰囲気が混在しているが、やがてその高校特有の雰囲気へと吸収されていく。
その高校特有の雰囲気は上級生が作り上げているものであるが、不変なものではなく、新入生が中学から持って来る新しい雰囲気によって変化していくものである。可奈子が入学した高校でも同じであった。
可奈子やサナエらは共通の雰囲気を持った中学から来た生徒として高校では見られた。
可奈子と同じ中学から来た男子生徒の数が少なくイケメンでなく地味であったことから、高校では可奈子たちの存在感が強く押し出されていた。その雰囲気は彼女の入学した高校では毛嫌いされるものではなく、どちらかというと好意的に見られる側にいたが、他の中学から来たイケメン男子生徒とはうまくいかなかった。
他の中学校出身のイケメン男子生徒たちが可奈子にも近づいて来たが彼らには中学からの彼女を引きずっていたり、高校入学してから同じ中学出身の女子生徒が彼らに猛烈にアタックして来るように変貌したりした。
可奈子に好意を寄せる何人かのイケメン男子生徒も可奈子だけに集中することができずに結局昔の彼女のほうへもどって行かざるを得なかった。
可奈子はそんな他校から来た優柔不断な男子生徒が迷いながらも自分のほうへ少し向いてきたときに自分にはその気はないと相手の男子生徒に言うときに快感にも似た喜びと満足感を感じた。しかし、他校からの女子が嫉妬心を抱き始めたことを感じたのでイケメン男子生徒らとは距離を置くようにした。可奈子は中学の時の彼氏がいるとか、中学時代の彼氏を忘れられないとかと言う噂が校内では流れるようになっていた。可奈子も他の女子生徒の嫉妬で苛められるよりはいいかなと思い、その風評をある程度は受け入れていた。こうしえ、イケメン男子生徒の集団は彼女の前から去ったが、イケメンでない男子生徒の中にも彼女に好意を寄せる者がいて彼女に対して恋愛活動を始めた。


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