室人らの学年は校長先生の意向で行事として卒業式の後に鼓笛隊でパレードをすることになった。地元町内会からの強い要望もあり、太鼓をたたきながら、トランペットを吹き、シンバルを鳴らしながら、街へと繰り出して卒業を飾ることになった。
鼓笛隊の組織編成が行われ、室人は小太鼓をたたくことになった。室人は小学生の時に鼓笛隊で小太鼓をたたいた経験はあった。女子ではアザミがバトンガールをすることになり喜んで練習に励んでいる。バトンを振り回しながら高く投げては受けるアザミの姿がよく放課後の校庭でよく見られた。
そんなある日、アザミがバトン投げの練習に付き合ってほしいと言ってきた。小太鼓の室人と大太鼓とシンバルの二人の男子がアザミのバトン投げに付き合うことになった。アザミは女子の中では貫禄があったので3人の男子はアザミにおとなしく従った。卒業生パレードが町内会広場にさしかかったときそこで行われるバトンガールによるシルバーバトン投げをしたいとアザミが3人の男子に言った。アザミはシルバーバトンを高く投げる技を練習していた。 3人の男子が小太鼓、大太鼓、シンバルを鳴らしてアザミの見せ場を盛り立てる。この繰り返しを何度もやった。アザミは何度も高く高く高くシルバーバトンを投げては同時にバック転をしながら受けた。そんなに高く投げて大丈夫かと思ったときにアザミの投げたバトンとバック転とのタイミングが狂った。そこにいた3人はアッ!!危ないと思い逃げようとした。室人も後方に逃げようとしたが、小太鼓がじゃまして蹴躓き前のめりに倒れた。次の瞬間にバトンが室人の尻に命中してしまった。
室人は小太鼓と一緒にその場に痛みでうずくまった。 アザミが言った「ゴメン!大丈夫、大丈夫、痛かったでしょう」。 室人が尻をさすりながら「ああ、痛い、ああ、痛い、ああ、痛い」。 アザミが訊く「大丈夫、怪我はしてない? 大丈夫」。 室人「ああ、痛い、でも大丈夫だよ、」。 アザミ「本当に大丈夫、怪我はしてない?ちょっと見せてみな」。 室人「もういいよ、本当に大丈夫だよ」。 アザミ「痛そうだから、いいからズボンを下してアタシにみせてみな」。 室人「やめてくれよ、本当にもういいよ」。 アザミは大太鼓とシンバルの男子に室人を押さえつけてズボンを脱がすように命令した。
2人の男子はデブとノッポで室人より大きく、アザミの命令は何でも従うようだった。 2人が室人を押さえ込みにかかってきたので、室人は必死に抵抗して暴れた。 あまりに室人が嫌がって暴れるので、アザミは室人は元気だから大丈夫だと判断したようで二人に止めるように言った。
地面に足を投げ出して座り込んだ室人を上からミニスカートのアザミが覗き込む。室人は息を切りながら汗と土にまみれた顔でアザミの長い脚を見ながら横目でアザミの顔を見上げた。アザミは室人の前にしゃがみこんで彼のほうを覗き込むと首をかしげてニコリと微笑んだ。室人はアザミの胸のあたりやミニスカートの長い脚を見ていたが次の瞬間にこれまでにない快感が一瞬体中を駆け巡るような気がした。
アザミがさあと促すように室人のほうへ長い手を差し出したので室人は彼女の手に助けられて立ち上がった。 室人が白鳥可奈子とは違った何かを川名アザミという女子に感じたのはこの時が最初だった。
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