走る、走る、走る
「もうすぐ、もうすぐで15才だ」
そう言いながらタケは走る
今の時刻は11時45分
あと15分たてばタケの誕生日の8月5日だ
「!くそっ。またかエリシアか!」
いきなり目の前に一メートルくらいの子供が現れた
「ぐるるるる・・・・」
不気味なうなり声を上げながらどんどん近づいてくる
「あと15分なんだ。あと15分で俺は卒業できるんだ。こんなとこで死んでたまるか!」
そういってタケは逃げ出した
さっきからずっと逃げていた彼にはもうほとんど体力は残っていない
彼を動かすのはただ、死にたくないという本能だけだ
「あと5分、あと5分だ!」
後ろを向いて確認すると5匹に増えている
相手からの遠距離攻撃はないから、あとはタケの体力次第だ
「っ!」
目の前にまた3匹現れた
さっきから一本道を走っているからもうどこにも逃げられない
そうこうしている間にどんどん8体のエリシアは近づいてくる
「ジリジリジリジリ!」
急に時計が鳴り出した。日付変更だ。
「やった!やった!これで俺は卒業生だ!もう命の心配をしなくて済む!」
15才になるともうエリシアにおわれなくなる。
彼はうれしさのあまり、走り、叫んでいた
しかし、彼は喜びのあまり周りが見えていなかった
「やった!やった!やったぁ!・・・・・・え?」
目の前に広がるのは崖。しかし彼は何も考えず走っていたので
そこに崖があるのに気づかなかった
彼は何も考えず走りすぎたのだ
「いやだ。いやだ。死にたくない、死にたくないよ!」
彼の断末魔がが崖にこだまする・・・・
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