とぎれとぎれに目が覚める。 動けなくなってどれくらいたつのだろう。 呼吸がおかしくなっても、すぐには死ねないものなのか。 ただここに横たわり、狭い部屋の天井をみている。
少し動けるうちに、多少は整理をつけておいてよかった。 派遣の仕事は適当に断った。そもそも不況で依頼もなくなっていたから、 仲間うちにも俺のことは伝わらないはずだ。 死んだということを、伝えるような仲間でもない。 携帯のメモリは、親戚の他は消しておいた。
いつも本当に世話になっていた叔母と従兄弟たちには、最期まで迷惑をかけてしまうだろう。火葬をお願いしたいと、メモは残しておいたが、あれで良かったか。 しなくていいと言っても葬式をしてくれるのだろう。横浜や埼玉の従姉妹たちも、わざわざこちらの田舎まで来てくれることだろう。 みんなの悲しむ顔が想像できる。 なんてことだろう。 過去の出来事がおもい浮かぶ。 死ぬことなど怖くないと思っていたが、みんなに会えなくなるのが残念でしかたない。
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