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作品名:韓国男子 作者:御美子

第9回   Epilogue
「韓国人風俗店店長と警察官が贈収賄で逮捕されました。」

たまたま日本に帰国していた時に

何気なく聞いていたカーラジオのニュースだった。


「生活安全課の風俗取締り担当者あたりかな、性懲りもない。」

前後のニュースは全く頭に入ってこなかったのに

こんな内容だと鮮明にキャッチできるなんて自分でも呆れる。

内情を知っているだけに状況が目に浮かぶようだ。


自ら先手を打って警察に金を渡し

一時的にしろ風俗店を成功させたのが

今は殺人犯として刑務所にいるはずの塚田。

そこまで悪くなりきれずに

韓国に戻らざるをえなかったのが私のパートナーだろう。


ソウルで流暢な日本語を話す運転手の運転するタクシーに

たまたま長時間乗る機会があった。

彼もパートナーと同じく風俗店の店長経験者だったらしいが

同様に何回目かで入国拒否され強制出国させられたのだろう。

今後5年間は日本に入国できないと言っていた。


私が結婚してるかどうかしつこく尋ねたことから察すると
 
機会があればまた日本へ行きたい様子だった。

彼らの共通点は、自国では真面目に働いていても

外国でなら捕まりさえしなければ違法なことをしても

罪悪感が殆どないという点ではないかと思う。


だから、私が韓国に来た。

パートナーが何と言おうとも

「絶対に結婚しない」と何回か言われたこともあるが

私は彼の身体の一部であると思っているし

彼と離れては生きていけない。


日本で一緒に暮らすことも考えたが

日本に居たら何をしでかすか分からないし

親兄弟や知人に紹介するのもはばかられる。


最近韓国内のネッティズン(ネット+シチズン)の間で

「日本人女性が韓国人だからという理由で韓国人男性を好きになると思うのは幻想だ」

という内容のブログが話題になった。
 

「好きになった男性がたまたま韓国人だったと言うのが正しい」

という結論に落ち着いていたようだったが

自分のことを言われているように思えた。


                                    −おわり−


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