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作品名:サイレンス 作者:ぴきにん

第46回   46
ジョージとは明日の夕方アンを連れて会う約束をすると、バリーはグラウンドを後にした。

「ヘザー!」
そう呼び止められ、大学を出ようとしたヘザーが振り返る。バリーが息を切らして彼女のもとまで駆け寄ってきた。
「間に合った!」
「どうしたの?」
ヘザーがバリーの顔を覗き込む。
「君に、頼みがあるんだ」
「頼み?」

アパートに戻ると、アンがバリーを出迎える。部屋の中に甘い匂いが漂う。彼女はクッキーを焼いていたようだった。バリーはアンに、ジョージと会ったと話した。
「じゃあ、ジョージは怒ってなかったのね!」
アンの顔が明るくなる。
「まぁ、詳しい話は後だ」
バリーはそう言うと、アパートの中にヘザーを招き入れた。
「彼女は、友達のヘザー」
そう紹介すると、ヘザーはアンに握手を求めようとするが、アンの前で立ちつくす。
「どうした?」
バリーがヘザーを見る。ヘザーはアンジェリアの美しさに魅せられていた。
「あなた・・・」
ヘザーが呆然と言う。
「とても・・・美しいわ・・・」
その言葉に、アンは少し頬を赤らめる。ヘザーは彼女の、神秘的とも言える美しさに見惚れた。
「あなたたち、本当に兄妹なの?全然、似てないわよ!」
「よく言われるんだ」
バリーが笑っていた。
「じゃヘザー、後は頼んだよ!」
そう言うと、バリーはアルバイトに出かけた。部屋の中には、ヘザーとアンジェリアが佇んでいる。二人は顔を見合わせた。
「ごめんなさい。私はヘザー・ベル・シェパードよ」
ヘザーは改めて、アンに握手を求める。
「あ、私はアンジェリア・タウバー・・・」
アンは、まだヘザーが来た意味を図りかねていた。
「さぁ、時間が無いから私たちも行くわよ!」
ヘザーはアンの手を引くと、アパートを出た。

外へ出ると、アパートの前に真紅の車が停めてあった。
「カッコイイでしょ?フォードから出た“マスタング”よ」
ヘザーが自慢げに説明しながら、助手席のドアを開ける。アンは戸惑いながら、その車に乗り込んだ。ヘザーも乗り込むと、キーをまわす。耳を劈くようなエンジン音が、辺りに轟いた。
「ど・・・どこへ行くの?」
恐る恐るアンが尋ねる。ヘザーはアクセルを踏み込むと、車は急発進した。
「いいところよ」


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