ジョージとは明日の夕方アンを連れて会う約束をすると、バリーはグラウンドを後にした。
「ヘザー!」 そう呼び止められ、大学を出ようとしたヘザーが振り返る。バリーが息を切らして彼女のもとまで駆け寄ってきた。 「間に合った!」 「どうしたの?」 ヘザーがバリーの顔を覗き込む。 「君に、頼みがあるんだ」 「頼み?」
アパートに戻ると、アンがバリーを出迎える。部屋の中に甘い匂いが漂う。彼女はクッキーを焼いていたようだった。バリーはアンに、ジョージと会ったと話した。 「じゃあ、ジョージは怒ってなかったのね!」 アンの顔が明るくなる。 「まぁ、詳しい話は後だ」 バリーはそう言うと、アパートの中にヘザーを招き入れた。 「彼女は、友達のヘザー」 そう紹介すると、ヘザーはアンに握手を求めようとするが、アンの前で立ちつくす。 「どうした?」 バリーがヘザーを見る。ヘザーはアンジェリアの美しさに魅せられていた。 「あなた・・・」 ヘザーが呆然と言う。 「とても・・・美しいわ・・・」 その言葉に、アンは少し頬を赤らめる。ヘザーは彼女の、神秘的とも言える美しさに見惚れた。 「あなたたち、本当に兄妹なの?全然、似てないわよ!」 「よく言われるんだ」 バリーが笑っていた。 「じゃヘザー、後は頼んだよ!」 そう言うと、バリーはアルバイトに出かけた。部屋の中には、ヘザーとアンジェリアが佇んでいる。二人は顔を見合わせた。 「ごめんなさい。私はヘザー・ベル・シェパードよ」 ヘザーは改めて、アンに握手を求める。 「あ、私はアンジェリア・タウバー・・・」 アンは、まだヘザーが来た意味を図りかねていた。 「さぁ、時間が無いから私たちも行くわよ!」 ヘザーはアンの手を引くと、アパートを出た。
外へ出ると、アパートの前に真紅の車が停めてあった。 「カッコイイでしょ?フォードから出た“マスタング”よ」 ヘザーが自慢げに説明しながら、助手席のドアを開ける。アンは戸惑いながら、その車に乗り込んだ。ヘザーも乗り込むと、キーをまわす。耳を劈くようなエンジン音が、辺りに轟いた。 「ど・・・どこへ行くの?」 恐る恐るアンが尋ねる。ヘザーはアクセルを踏み込むと、車は急発進した。 「いいところよ」
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