スピラーン神父が死んだ、あの日のジョージの顔を、未だ忘れられずにいた。 怒り、失望、悲しみの入り混じった表情。その中に見えた、自分に対する侮蔑の表情。 ジョージに会って、あの日のことを謝りたかった筈なのに、何もかも壊れてしまう気がして前に踏み出せずにいた。 そんな事を考えている間に、アルバイトの時間が迫っている。 腕時計を見てため息をつくと、バリーはグラウンドを後にした。
その後ろ姿を、フィールド上のジョージが見ていた。
仕事が終わってアパートに戻り、バリーはアンジェリアに話してみた。ジョージがイェールに来ていたこと、彼に謝りたかったのに、会うのを躊躇ってしまったこと。自分の情けなさに、歯がゆさを感じていること。するとアンジェリアは、バリーに微笑みながら言った。 「大丈夫よ。ジョージはそんな人じゃないわ」 バリーは俯きながら、コクリと頷く。 「でも私も貴方の立場なら、多分迷ってたと思う」 アンは、視線を手にしていたホットチョコレートに落とした。 「だって、あんな酷いことがあったんだもの・・・」 「・・・うん」 バリーも俯いたままだった。 「私にはいないけど、親友って心が通じ合ってるんでしょ?」 アンは、俯いたままのバリーの手を握り締めた。バリーの視線は、アンの瞳で止まる。 「貴方が・・・ちゃんと彼と向き合えば、分かってくれるわ」 アンが優しく微笑んだ。 「・・・そうだな」 バリーは、その微笑を碧の瞳に返していた。 「明日・・・会ってみるよ。ジョージに」
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