イェール大学に到着し、入学手続きを済ませると、バリーはアパートを探した。本来なら学生寮に入寮するはずだったが、アンジェリアを連れていた為に、アパートを探さざるを得なかった。 ニューヘイヴンは大学の街で、周辺にはサザンコネチカット州立大学、ニューヘイヴン大学、アルバートゥスマグナス大学などがあり、その中心にイェール大学があった。 アメリカの名門・アイビーリーグのうちの1校で、ロースクール(法科大学院)は全米の中でも最高峰であった。バリーはこのロースクールを目指している。 バリーは超難関といわれたイェール大学のフル・スカラシップを獲得していた。成績優秀者のみが勝ち得る、学費・寮費などを連邦政府が全額負担してもらえるという、特待生制度だった。 だがアンジェリアを連れて二人で暮らす以上は、金銭的・精神的にかなりの負担をようする。アルバイトをしながら、勉学に励むしかない。恐らく、夜も眠れぬ日が多くなるだろう。 それでも、バリーはアンジェリアと二人で暮らせることが嬉しかった。 「きっと、何もかもうまくいくさ」 バリーはイェール大学を見上げながら、未来への希望に胸を躍らせる。 イェール大学へ続くディクスウェルアベニューとブリュースターストリートの交差する裏路地に、小さいが二人でも充分暮らせる、学生アパートを見つけた。 バリーは母親ミミのシボレーを売ると、そのお金でアパートを契約する。そして、学校が始まる前に、アルバイトも見つけた。ブリュースターストリートにあったイタリア料理「ウーノ・セルボ」という店での皿洗いの仕事だった。常に頭の中で記憶したことを考察し構築して行くには、こういう仕事が好都合だった。
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