そして、バリーはデボアの後継者となる決意をする。 その決意を聞いたジャン・デボアは、”最後の試練”を受けろと言った。 「”最後の試練”とは?」 先ほどまで沸き立っていた怒りが消え、冷酷な瞳を輝かせながら、バリーが言った。 「お前の父親、ジョナサン・タウバーを殺せ」 それを見たジャン・デボアは、同じように冷酷な瞳を光らせた。 「どうした、出来ないのか?」 バリーは口元に、不敵な笑みを浮かべる。 「どれほど、この時を待ち望んだことか・・・!」 父親に受けてきた虐待の数々、アンジェリアとの関係、尊敬していたスピラーン神父が殺された瞬間が蘇り、バリーは即答した。 「奴を殺す為の、如何なる理由があろうと、俺には関係の無いことだ。奴を殺すことが出来れば、それでいい」 バリーは左拳を握り、透き通った水色の瞳が更に輝きを増した。
それは、悪魔のような瞳だった。 その表情を見たジャン・デボアは、満足げな笑みを浮かべた。
それを見たモビーディックは、バリーの前に立つ。 「私の名は、キャムリー・ギー=エピラン。代々デボア家に仕えて来た、エピラン家の男です」 そう言うと、彼の前で跪き、頭を深く垂れた。 「貴方に、我が命を捧げ、永遠の忠誠を誓います・・・」 「その誓いを、受けよう」 跪いたモビーディック、キャムリー・エピランは、差し出されたバリーの手の甲にキスをした。それを見たバリーは、笑いを堪え切れなくなり、高らかに笑い声を上げた。 「アンタが、そんなごたいそうな名前だったとはな!」 「俺の名は、高貴な響きを持っているのだ。誰もが、口にして良い名ではない!」 キャムリーが立ち上がり、笑みを浮かべながら応えた。一頻り笑い終えると、バリーはジャン・デボアを見る。 「で、じいさん。確認しておきたいのだが、デボア家は”統べる者”の一人で在りながら、アンタは俺と同じ考えを持っていると言う事だな」 ジャン・デボアはバリーの眼を見据えながら、深く頷いた。 「私と同じ考えであるお前だからこそ、後継者に選んだのだ」 「では、俺がまず、やるべきことはアメリカの掌握・・・。CENTACを壊滅させるということか・・・」 その言葉に、ジャン・デボアが再度頷いた。 「そして、仲間を集めるのだ。お前の為に、命を捨てられる仲間を。強大な”力”を持った仲間を・・・」
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