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作品名:サイレンス 作者:ぴきにん

第267回   267
そして、バリーはデボアの後継者となる決意をする。
その決意を聞いたジャン・デボアは、”最後の試練”を受けろと言った。
「”最後の試練”とは?」
先ほどまで沸き立っていた怒りが消え、冷酷な瞳を輝かせながら、バリーが言った。
「お前の父親、ジョナサン・タウバーを殺せ」
それを見たジャン・デボアは、同じように冷酷な瞳を光らせた。
「どうした、出来ないのか?」
バリーは口元に、不敵な笑みを浮かべる。
「どれほど、この時を待ち望んだことか・・・!」
父親に受けてきた虐待の数々、アンジェリアとの関係、尊敬していたスピラーン神父が殺された瞬間が蘇り、バリーは即答した。
「奴を殺す為の、如何なる理由があろうと、俺には関係の無いことだ。奴を殺すことが出来れば、それでいい」
バリーは左拳を握り、透き通った水色の瞳が更に輝きを増した。

それは、悪魔のような瞳だった。
その表情を見たジャン・デボアは、満足げな笑みを浮かべた。

それを見たモビーディックは、バリーの前に立つ。
「私の名は、キャムリー・ギー=エピラン。代々デボア家に仕えて来た、エピラン家の男です」
そう言うと、彼の前で跪き、頭を深く垂れた。
「貴方に、我が命を捧げ、永遠の忠誠を誓います・・・」
「その誓いを、受けよう」
跪いたモビーディック、キャムリー・エピランは、差し出されたバリーの手の甲にキスをした。それを見たバリーは、笑いを堪え切れなくなり、高らかに笑い声を上げた。
「アンタが、そんなごたいそうな名前だったとはな!」
「俺の名は、高貴な響きを持っているのだ。誰もが、口にして良い名ではない!」
キャムリーが立ち上がり、笑みを浮かべながら応えた。一頻り笑い終えると、バリーはジャン・デボアを見る。
「で、じいさん。確認しておきたいのだが、デボア家は”統べる者”の一人で在りながら、アンタは俺と同じ考えを持っていると言う事だな」
ジャン・デボアはバリーの眼を見据えながら、深く頷いた。
「私と同じ考えであるお前だからこそ、後継者に選んだのだ」
「では、俺がまず、やるべきことはアメリカの掌握・・・。CENTACを壊滅させるということか・・・」
その言葉に、ジャン・デボアが再度頷いた。
「そして、仲間を集めるのだ。お前の為に、命を捨てられる仲間を。強大な”力”を持った仲間を・・・」


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