バリーは右端の男を見ると、その前に立つ。口を塞がれた男は、必死で縛られた手足を動かし、もがいた。 マチェットナイフをかざし、ためらいもなく、男の腹に突き刺した。 男は、筆舌に尽くしがたい叫び声を上げた。 バリーは突き刺したマチェットを、へその下から首にかけて、一気に割いた。 血飛沫と共に、内蔵が飛び出す。地獄の苦しみを味わいながら、男の身体は激しく痙攣した後、ゆっくりと絶命していった。 身体中に血飛沫を浴びても、バリーは眉一つ動かさなかった。 その光景を見ていた残りの3人は、口を塞がれたまま、あまりの恐怖に声を失った。
「おい・・・あいつは、一体、何をしているんだ・・・?」 扉の前にいたブルース・マッカビーが、クルーエルに言った。 クルーエルは時折中から聞こえる、男たちの叫び声を聞きながら、身体に走る震えを感じていた。 「おい!」 不安を感じていたマッカビーが、クルーエルの腕を掴む。 「黙ってろ!」 クルーエルはマッカビーを睨みつける。 「あいつは、また独りで戦いを始めたんだ・・・!」 「独りで・・・?どういうことだ?」 「俺たちを、巻き込むまいとしてるのさ・・・」
3人目を無残に惨殺したあと、バリーはマチェットについた血を振り払った。 最後の一人は、その透き通った水色の瞳見た。 バリーの眼は、痛みも恐怖も、何の感情も浮かんではいなかった。 椅子に縛られた男は、首を横に振った。 死を覚悟したとはいえ、あのように無残に死ぬことは、我慢ならなかった。 バリーは最後の男の前に立つと、マチェットを掲げたまま、冷徹な眼で男を見下ろした。 「どうした、死ぬことが怖いのか?」 口を塞がれた最後の男は、恐る恐るバリーを見る。そして、小さく頷いた。それを見たバリーは、男の口に貼られたテープを剥ぎ取った。 「今から俺の言うことを聞けば、助けてやる。どうだ?」 「わ、分かった。何でもやる。助けてくれるのなら・・・」 男は震える声で、それに応えた。 それを見たバリーは、男が縛られている椅子の背もたれを掴むと、椅子ごと男を引きずった。目の前には、フォード・コブラが停まっている。扉を開け、中から自動車電話の受話器を取り出すと、男の前に突き出した。 「CIA秘密作戦室のセドリック・マッコーリーに電話しろ。エドナー・ガーツが情報を漏らしたせいで、バリー・タウバーに殺されるとな」 男の額から、冷たい汗が流れ落ちた。 「ほ、本当に、それを言えば助けてくれるんだな・・・?」 その言葉に、バリーは頷いた。
|
|