クラッキオーロは、自分に銃口を向けていた、デルタ隊員の視線を見逃さなかった。 ”それ”が、自分の後方に向いたのだ。彼は一瞬で、デルタ隊員の足を自分の足で引っ掛け、隊員を倒した。直後に銃声が鳴り響き、他のデルタ隊員たちが、その場に倒れる。 バリーの傍に、クルーエル、ホア、パワーズ、マッカビーが走り寄った。 「俺たちが”犠牲”とは、どういう意味だ!?」 クッラキオーロは、倒れたデルタ隊員の額に、ピストルを押し付けた。にも関わらず、隊員は不敵な笑みを浮かべる。 「単に、お前たちは選ばれただけさ。不運だな・・・」 「何だと・・・!?」 大使館のエントランスから、今度はアルファチームが現れ、こちらを撃ってきた。 「おい、お前。このままここに留まれば、奴らに殺られるぞ」 バリーが言った。クルーエルたちは撃たれたモラレスを背負い、先に走り出していた。 クラッキオーロはこの現状が受け入れられず、決断を迷っていた。 「俺と一緒に来い。この事件の”真実”を、教えてやる」 バリーの言葉に、クラッキオーロが決断する。 彼は、デルタ隊員を殴って気絶させると、顔面を撃たれ、既に息絶えた部下・マカリスターとライリーを見ると、バリーの後に続いた。
アメリカ大使館の中庭には、椰子の木に囲まれた池があった。 バリーはクラッキオーロに、手のひらに入るくらいの銀色をした筒を渡す。 「簡易酸素ボンベだ。5分持つ。くわえろ」 バリーは同じものを口にくわえ、池に飛び込んだ。クラッキオーロは戸惑いながらも、ボンベをくわえ池に飛び込む。 バリーは水中で、防水のフラッシュライトを点けると、底に向かって潜った。クラッキオーロがその灯りを追う。 池の底は案外深く、5、6mはあろう深さだった。 バリーは底まで潜水すると、底の壁にある小さな穴に入った。その穴は、横に伸びており、更に地底に向かっていた。20mほど泳ぐと、その穴は突然開けた池に入った。 水面に上がると、クルーエルたちが彼らを待っていた。 「モラレスは?」 バリーが言う。地面に寝かされていたマイケル・モラレスは、ピクリとも動かなかった。クルーエルがバリーを見て、首を横に振る。 「クソ!」 バリーが思わず呟いた。 「だが、モラレスをこのまま連れて、ここを脱出する」 マッカビーが死んだモラレスを背負い、彼らが立ち上がった。 クラッキオーロが、周りを見渡す。そこは、石畳で出来たトンネルのようだった。 「ここは・・・?」 「”パックス・ロマーナ”(ローマ帝国による正義)だ。ここは、ローマ帝国が造り上げた、当時の水路さ」
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