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作品名:サイレンス 作者:ぴきにん

第240回   240
クラッキオーロは、自分に銃口を向けていた、デルタ隊員の視線を見逃さなかった。
”それ”が、自分の後方に向いたのだ。彼は一瞬で、デルタ隊員の足を自分の足で引っ掛け、隊員を倒した。直後に銃声が鳴り響き、他のデルタ隊員たちが、その場に倒れる。
バリーの傍に、クルーエル、ホア、パワーズ、マッカビーが走り寄った。
「俺たちが”犠牲”とは、どういう意味だ!?」
クッラキオーロは、倒れたデルタ隊員の額に、ピストルを押し付けた。にも関わらず、隊員は不敵な笑みを浮かべる。
「単に、お前たちは選ばれただけさ。不運だな・・・」
「何だと・・・!?」
大使館のエントランスから、今度はアルファチームが現れ、こちらを撃ってきた。
「おい、お前。このままここに留まれば、奴らに殺られるぞ」
バリーが言った。クルーエルたちは撃たれたモラレスを背負い、先に走り出していた。
クラッキオーロはこの現状が受け入れられず、決断を迷っていた。
「俺と一緒に来い。この事件の”真実”を、教えてやる」
バリーの言葉に、クラッキオーロが決断する。
彼は、デルタ隊員を殴って気絶させると、顔面を撃たれ、既に息絶えた部下・マカリスターとライリーを見ると、バリーの後に続いた。

アメリカ大使館の中庭には、椰子の木に囲まれた池があった。
バリーはクラッキオーロに、手のひらに入るくらいの銀色をした筒を渡す。
「簡易酸素ボンベだ。5分持つ。くわえろ」
バリーは同じものを口にくわえ、池に飛び込んだ。クラッキオーロは戸惑いながらも、ボンベをくわえ池に飛び込む。
バリーは水中で、防水のフラッシュライトを点けると、底に向かって潜った。クラッキオーロがその灯りを追う。
池の底は案外深く、5、6mはあろう深さだった。
バリーは底まで潜水すると、底の壁にある小さな穴に入った。その穴は、横に伸びており、更に地底に向かっていた。20mほど泳ぐと、その穴は突然開けた池に入った。
水面に上がると、クルーエルたちが彼らを待っていた。
「モラレスは?」
バリーが言う。地面に寝かされていたマイケル・モラレスは、ピクリとも動かなかった。クルーエルがバリーを見て、首を横に振る。
「クソ!」
バリーが思わず呟いた。
「だが、モラレスをこのまま連れて、ここを脱出する」
マッカビーが死んだモラレスを背負い、彼らが立ち上がった。
クラッキオーロが、周りを見渡す。そこは、石畳で出来たトンネルのようだった。
「ここは・・・?」
「”パックス・ロマーナ”(ローマ帝国による正義)だ。ここは、ローマ帝国が造り上げた、当時の水路さ」


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