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作品名:サイレンス 作者:ぴきにん

第227回   227
”世界の警察・アメリカ”が、人質解放のために、犯人の要求を呑んだという噂が、中東各地で広がっていた。
「国で耳にした”噂”は、本当だったのか・・・!?」
「だが、それはあくまで”表向き”の話です。真実は・・・」
バリーは、身を乗り出した。それに伴い、サラディンも彼に顔を寄せる。その”真実”を、サラディンの耳元で囁くと、彼は眼を光らせた。
「面白い・・・」
バリーの隣に座っていたターナーは、額から汗を流していた。
「そこで、貴方にはイランと交渉していただきたいのです。各方面に有力なコネを持っている貴方なら、容易なはずだ」
その言葉に、サラディンが頷いた。
「では、お前がアメリカからのルートを、確保するのか?」
「はい。アメリカから、一旦イスラエルに入ります」
「イスラエル!?」
サラディンが声を上げた。
ユダヤ人が、イギリスの介助によってパレスチナに入植し、イスラエルを建国して以来、イスラエルはイスラム圏にとって宿敵のはずだった。
それをこの男は、イスラエルを巻き込むと言っているのだ。
「ナサニエルが、何と言うかな」
甘い香りの煙を吐き出しながら、サラディンが呟いた。吸っていた煙草を、灰皿に押し付け、
「大丈夫ですよ。彼も、"死の商人"ですから・・・」
と、バリーは不敵な笑みを浮かべた。


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