バリーは、名刺にあった連絡先で、ダレン・ヘイズを呼び出した。 そこは、誰もいない廃工場だった。 朝日が差し込む工場内に、バリーは独り佇んでいた。煙草をくわえ、火を点ける。 冷え切った空気が、頭を冴えさせた。 そこへ、一台の黒いフォードが入ってくる。バリーの目の前に停まると、中からダレン・ヘイズが降りた。 「やっと、やる気になったのか」 バリーは、何も言葉を発しなかった。ただ、黙ってヘイズを見据えた。 「あんたは、俺と同じ臭いを持ってる。平和に暮らそうなんて、ムシが良すぎるんだよ」 バリーの身体から、殺気が満ち始めた。彼に近寄ったヘイズも、それを感じ取った。 「良い顔だな。初めて俺を投げ飛ばしたときと、同じ眼だ。だがな・・・」 ヘイズはスーツからコルト・パイソンを取り出すと、銃口をバリーの額に向けた。 「俺は、あんたが嫌いなんだ」 バリーの瞳に、怯えは無かった。その眼光に負け、ヘイズはトリガーを引こうとする。 その時、一瞬の衝撃が走り、気付くと自分が構えていたはずのコルト・パイソンの銃口が、自分に向いていた。一瞬にして、バリーはヘイズから銃を奪い取り、目にも止まらぬ速さで、それをヘイズに向けた。 ヘイズは、死を覚悟した。 そのトリガーを、引く。 だが、弾丸は発射されなかった。冷たい汗が、ヘイズの額から流れ落ちる。 コルト・パイソンを右手に持ち、反対の左の掌から、6発の弾丸が零れ落ちた。 バリーは瞬時に、弾丸を抜き取っていた。 「お前を殺るのは、もう少し先だ・・・」 バリーの口元に、笑みが浮かび上がる。 「それまで、人生を愉しめ・・・」 その冷徹で鋭い眼光に、ヘイズは二度目の恐怖を覚えていた。
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