その新たな任務に、バリーはウィルキンソンに「何故か?」と問いかけた。ウィルキンソンは、ただそれが「戦争だ」と応えた。 その新たな任務とは、基地地域353「サカナの釣り針地区」から第12装甲騎兵連隊第2中隊と共に入り、COSVN(南ベトナム中央局)を索敵・破壊であった。それは69年に、バリーのSOGが同地区で破壊していたはずだった。しかし、MACVのエイブラムズ将軍が「ニューズ・ウィーク誌」に「COSVNとはコンクリートで補強された、地下10mの塹壕で、約5千人の当局者と技術者が住んでいる」と応えた。全くのでたらめであったが、ニューズ・ウィークもニクソンも、これを信用していた。つまりは“侵攻”の為の“大義名分”を作ったのだ。 “デボア”の“第二の試練”である“カンボジアに内戦を勃発させる”は成功したはずだったが、バリーは何かしらの疑念を抱いていた。“デボア”は、こうなることを完璧に読んでいた節があった。 「デボアとは、戦争によって莫大な利益を吸い取る“軍産複合体”なのか・・・?」 バリーはそう考えながら、SOGのチームとブリーフィングを開始した。 今回のメンバーは、デイビッド・クルーエル二等軍曹、ダレン・ヘイズ一等軍曹、そして歩兵部隊から志願して転属してきたジョン・マッキンタイア曹長だった。 今回は装甲騎兵連隊と行動を共にする為、タイニンの北東にあるファイアベースから、機関銃装備のジープ2台でカンボジアに入る予定だった。 「今回は車でドライブできる分、楽出来るな」 クルーエルが冗談を言った。しかし、その冗談をかき消すほど、今回の任務には、これまでで最大の“苦難”が待ち構えていたのだった・・・。
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