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作品名:サイレンス 作者:ぴきにん

第107回   107
全部で武装した兵士は8人。バリーとホアは一人づつ倒していく。
「二人は捕虜にする。急所は狙うなよ!」
バリーが言うと、ホアが頷く。残りの二人になったとき、ホアが一人目の足と腕を撃ち抜いた。その隙に乗じて、バリーがもう一人に近付き、当身を繰り出す。男は唸りながら、その場に倒れた。足と腕をホアに撃ち抜かれた男は、落ちていたAK47を手にしようとする。
「それまでだ」
そのAK47をバリーが踏みつけ、その男に銃口を向けた。

腕と足を撃ち抜かれた男と、バリーの当身によって気絶した男は、向かい同士で裸で椅子に縛られ、二人とも目隠しを施されていた。一本のフォークを手にしていたバリーは、ホアの顔を見る。
「聞け!」
バリーの声に、ホアはベトナム語で何かを彼らに話す。それに対し、捕虜の二人が何かを言った。
「二人は知らないと言っている」
ホアが言う。バリーは手にしたフォークを無傷の男の太ももに刺す。男は恐怖と、強烈な痛みで、悲鳴に近い声を上げた。腕と足を撃たれた男が、口をあけたまま、怯えているようだった。
「聞け!」
バリーが言う。ホアがまた何かを聞く。二人の男が何かを言った。
「駄目だ。こいつらは何も知らないようだ」
ホアの言葉に、バリーは撃たれた男の脇腹をフォークで刺した。男は叫び声を上げる。
「聞け!」
冷たい瞳のバリーに、今度はホアまでも恐れ始めた。ホアは又、男たちに何かを聞く。だが、男たちは混乱しているようで、不明なことを口走っているだけだった。ホアはバリーの顔を見て首を横に振る。バリーは二人の目隠しを取り、無傷の男の頭にピストルを押し付けた。
「吐け!」
だが二人は怯えてしまい、全身に冷たい汗を浮かび上がらせている。捕虜の二人の緊張が頂点に達した時、バリーは銃口を向けていた無傷の男ではなく、銃弾を受けた男の頭をピストルで撃ち抜いた。その瞬間、返り血を浴びたホアが息を飲み、無傷の男が失禁する。
「言えば、お前の身柄はジュネーブ条約に則って、安全を保障してやる」
バリーがそう言うと、ホアがベトナム語に訳する。捕虜の男は、何かを言った。それにホアが反応し、ホールに備えられていた金庫を見つける。目盛りを回し、中を開けると、そこには数冊のファイルがあった。その中身を、ホアが読む。
「これだ、間違いない!」
ホア叫ぶ。
「情報通りだな」
そのファイルを軽く折りたたみ、バリーはバックパックにしまうと、捕虜に服を着せた。
「撤退する」
ここがCOSVN(南ベトナム中央局)の一部であったことは、恐らく間違いなかった。その証拠に、バリーが求めていたものが手に入ったのである。例え、ここが戦略的に重要な拠点であったとしても、これさえ手に入れれば、ここには用はなかった。

そして、“作戦”は次の段階に移る・・・。


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