アタシは首をさすりながら、恐る恐る車の中を覗き込んだ。
…。
アキがいない。
運転席の扉が開いている。
(アキ…。)
その途端、背後から強い力で抱きしめられた。
「…うぅ、アキ…。や…め…て…。」
アキに抱えられ、また押し倒された。
アキはアタシに馬乗りになり、強い力で首を締め上げてくる。
「ア…キ…。」
「ユウ…、これでいいんだ…。」
アキの強い力がアタシに伝わってくる。
必死に暴れようとも、離れない。
(アキ…、やめて…。)
その時、必死に暴れるアタシ頬に何か冷たい物を感じた。
(あれ?何か冷たい…。)
アタシの頬に何か冷たいものが落ちてくる。
アタシの目は開いているのだが、暗くてアキの表情は読み取れない。
(冷たい…、もしかして……涙?アキ…、泣いているの…?)
1粒…、2粒…。
「…さん。」
(え?)
「…さん、ごめんね…。」
(アキが何か呟いている…。)
「お母さん、ごめんね…。」
(アキ…、お母さんって…。だ…め…だ…、意識が…。)
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