「ユウ…、これがお前の為だよ。」
「ち…が…う…。」
アタシは必死に手足をバタつかせたが、思った以上にアキの力は強い。
アキの手がアタシの首に迫る。
「ユウ…、すぐに……私も行くから…。」
「ダ…メ…。ア…キ…。」
アタシの首にかかっているアキの手の力が強くなる。
(アキ…。嘘でしょ…。嘘だと言って……。)
必死に暴れるアタシの手に何かが当たった。
(アタシのカバン…。)
アタシは何とかカバンを持ち、思いっきりアキの頭めがけて振りかぶった。
「あぅ。」
一瞬アキが怯み、アタシの首にかかっている手の力が緩んだ。
アタシはアキを運転席に押し倒し、即座にシートベルトを外すと、ドアを開けて車の外に転げ落ちた。
「ハッ…、ハッ…、ハッ…、ハッ…。」
真っ暗な闇。
静かな海。
聞こえてくるのはアタシの息遣いと波の音だけ…。
「アキ…。」
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