Warning: Unknown: Unable to allocate memory for pool. in Unknown on line 0 Warning: session_start(): Cannot send session cache limiter - headers already sent in /var/www/htmlreviews/author/12272/12099/89.htm on line 4 500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ 作者:北村 裕志

第89回   89
「…『3ヶ月です。』って言われた。」


(18の時に妊娠…。)


「正直、私は嬉しかった。幼い時に両親が離婚してさ。どちらも蒸発して…。全く勝手な親だと思う。だから、自分に子供ができたら絶対寂しい思いをさせたくないって思ってた。」


「…。」


「けどな、彼にはなかなか言えなかった。やっぱり怖かったな。私の初めての相手だったから…。」


一般道を走っている分、2人を乗せた軽自動車はスピードをやや落として走っている。


周りを見渡しても街灯も少なく、真っ暗。


そんな真っ暗な景色がアキの話をさらに寂しくする。


「相談できる友達とかいなかったの?」


「いなかった…と言うか、それが怖かった。誰かに言う事が怖かった。」


「そうかぁ。」


タバコの煙がぼんやり車内に漂っている。


「でも、いつまでも黙っておく訳にもいかなかった。私自身、黙っている事が彼に対しての裏切りにも思えた。」


「…。」


「ちょっと、コーヒーでも飲まないか?」


突然アキは目に入ったコンビニに車を停めた。


「ユウが買ってくるよ。」






アタシはコンビニの中でコーヒーを選びながら車で待っているアキの顔を覗いた。


(18で妊娠…。それがやはり、今のアキの姿に結びついているのだろうか…。)


少なくとも、今はアキは1人。


おそらく、彼=旦那はもう彼女の近くにはいないのだろう。


では、お腹の子は…?


アタシは車に乗り込み、コーヒーを渡すと、アキは、『サンキュー』と言って再び車を走らせた。


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