「だから、最初は断った。彼がどうというより、『私なんて…。』って気持ちの方が強かった。」
「アキには好きな人が別にいたの?」
「いいや、特に異性に興味がなかったというか…。今まで付き合った事もなかったし…。だからつまらない女なんだ。」
走っている道路には、アタシ達の軽自動車しかいない。
周りは真っ暗…。
「でも、彼は諦めなかった。何度も何度も告白しに来た。言葉はいつもシンプル。『アキちゃんが好きだ。』って。」
「それが逆に一番嬉しかったりするんだよね。トオルもそうだった。」
「ほんと、そうなんだ…。だから私は次第に彼に惹かれて行った。『この人なら…。』って思えるようになった。そして、付き合い始めた。」
「良かったじゃん。」
「良かった。幸せだった。彼しか見えてなかった。学校の登下校。放課後のデート。休日の待ち合わせ…。彼の優しさ、素直さ、温かさ…。全てを愛してた。」
「アキ、本当に幸せだったんだね。」
アキが高校時代、普通に恋愛していたのがアタシには少し意外だった。
アタシはアキと出会ってからまだ数ヶ月なので昔の事は話でしか分からないが、今の影がある女になったのは、一体いつからなんだろうか…。
「異変が起きたのは、彼と付き合って半年ほどたったある日、18の時だった。」
(18!!)
『アキもとっても不幸な子でね。幼い頃に両親と別れて、さらに18の時に何かあったみたい。』
以前、真梨子から聞いた言葉だ。
やはり、18がアキのキーワード…。
「気分が悪くなって、保健室で休んでいたんだが、あまり体調が回復しないんで、近くの病院に行ったんだ。」
「ねぇ、アキ。もしかして…。」
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