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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第84回
84
警察…?
警察…、火事…、家族…。
「あの…、ユウの家族、お父さん、お母さん、ミキはどこにいるのですか?」
「…。」
トオルと同じように、言いたくなさそうな仕草をしている。
それは、医師も看護師を同じだった。
「教えてください!ユウの家族は…、どこにいるのですか!」
アタシは必死に頼み込んだ。
4人の大人達は互いに顔を見合わせ、意を決した感じで、警察の男の1人が代表して話し出した。
「あのね、ユウちゃんの家族は…。」
「まさか、ユウちゃんの家族って…。」
真梨子は口元を手で押さえながら思わず甲高い声を上げた。
「そう…。火事に逃げ遅れたんだ…。」
アタシにあの時の感情が蘇る。
涙が溢れてくる…。
「お父さんも…、お母さんも…、ミキも…、何も悪い事してないんだよ…。どうして…、どうして…。ユウ達家族がこんな目に遭わなければならないの?『人は助け合いながら生きてゆく』のに、なぜ、誰もユウの家族を助けてくれなかったの?酷すぎるよ…、悲しすぎるよ…。ユウは…、ユウは……。」
アタシの目から涙が止まらない。
「…。」
涙で溢れる目で、アキを見つめる。
アキは何も喋らずただ、じっと俯いている。
ただ、アキの頬から何か落ちたような気がした。
(えっ?涙?アキ、泣いているの?ユウの話を聞いて泣いてくれてるの?)
アキはアタシの為に泣いている?泣いてくれている…。少なくてもアタシにはそう感じた。
「…アキ。」
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