Warning: Unknown: Unable to allocate memory for pool. in Unknown on line 0 Warning: session_start(): Cannot send session cache limiter - headers already sent in /var/www/htmlreviews/author/12272/12099/80.htm on line 4 500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ 作者:北村 裕志

第80回   80
(もうみんな寝てるかな。)


ふとそんな事を思いついたアタシの耳に、ものすごい勢いで階段を駆け上がる音が聞こえてくる。


バタンと扉が開く。


泊まっているクラスメートの母親が青ざめた顔で、息を切らしながら飛び込んできた。


「ユウちゃん!ユウちゃんの家が…、ユウちゃんの家が…。」


「えっ!?」


アタシは何の事かとっさに理解できなかった。


さっき聞こえた消防車のサイレンの音…。


(まさか…。うそ…。うそでしょ…。)






我に返った時には、家に向かって必死に走っていた。


けたたましいサイレンの音。


真っ黒な夜空には灰色の煙が広がっている。


そして、遠くの方に少しだけ点々とした赤い色が見える。


アタシの家の方角から…。


(お父さん…。お母さん…。ミキ…。)






家に近づくに連れて、消防車のサイレンの音と、真っ赤な炎に気付いた人達が道端に出てきている。


ざわめきが辺りを呼び起こす。


家までの道のりは果てしなく遠く感じた。


どれだけ走っても届かない気がした。


アタシの脳裏に父親・母親・ミキの姿が映し出されるが、どれだけ手を伸ばしても3人に届かない。


(お願い、みんな無事でいて…。)






やっと、やっと、やっと……、家にたどり着いた。


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