「ねぇ、ユウ。この前言ってた卒業記念のお泊りの件、今週の金曜だからね。」
「分かってるって。ちゃんとユウは覚えてるよ。」
まもなく卒業式、この頃アタシはトオルに告白され、どうしようかと迷っていた。
今週末は、クラスメートの家に友達みんなで卒業記念という事で泊まりに行く事になっている。
お菓子やジュースを買い込んで、みんなで思いっきり夜更かししていろんな事話すんだ…。
「ミキは行かないの？」
「うん、ミキはいい。次の日も朝から出かけるし…。」
「そう。ねぇ、お母さん、ユウは金曜日は帰ってこないからね。」
「はいはい。」
そして金曜日、アタシは学校が終ってから一旦家に戻り、泊まる為の荷物をまとめてクラスメートの家に遊びに来ていた。
みんなで、騒がしく夜遅くまでいろんな事を話し合った。
もう、みんなとも卒業すれば離れ離れになるんだなぁ。
何だか…やっぱり寂しい。
本当に楽しかったなぁ…。
「ねぇ、みんな。高校に行ってもずっと一緒だからね。」
「もちろん！」
クラスメートの1人の掛け声でアタシ達はさらに絆が深まったように感じる。
友達といると…、幸せ。
「何だか外が騒がしいよね。消防車みたい。近くで火事でもあったのかなぁ。」
一番窓側にいた友達が何気に呟く。
アタシは壁にかかっている時計を見た。
時計の短針は１の数字を過ぎている。
午前1時過ぎ。
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