父親は結局、2回目は高橋にお金を貸さなかった。
いや、貸せなかった。
母親から聞くところによると、会社で自分の姉である社長に断られると、その夜、高橋の自宅に直接出向き、高橋が驚くほどに父親は貸せない事に対して謝り、高橋は借りれない事にショックだったようだが、それでも父親に感謝してくれたらしい。
父親はよく頑張ったと思う。
父親のモットーである、“人は助け合っていかないと生きてゆけないものなんだ”の精神は十分発揮したと思う。
そして、これで全てが終ったとアタシもミキも感じていた。
これ以上はもう何もないのだから…。
ただ、この事があってからのマリはアタシやミキに対しての態度が少し変わっていった。
今まで、クラスが変わっても挨拶や話したりする事があったのだが、今はそれもない。
アタシと廊下ですれ違っても、目も合わせてくれない。
他の同級生から聞いたのだが、どうやらマリは父親がお金を貸さなかった事を逆恨みし、『ユウもミキも薄情者だ』とののしっているらしい。
アタシからすると、父親ははじめに500万もの大金を貸しているのだから、恨まれる筋合いはないと思っている。
なので、この一件以来、マリとは全く言葉を交わさなくなった。
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