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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第7回
7
光り輝くネオンの脇の暗闇。
今、アタシは大通りの端でただ1人、制服姿で立っている。
時計を見ると、午後7時少し前。
会社帰りの人や車で、道路はさらに混雑し始めた。
アキから連絡があってから、約20分程経過。
「もうすぐ来るかな。」
アタシは寒さを紛らわす為、自動販売機でホットコーヒーを買い、両手を温めながらアキが車で迎えに来るのを待っていた。
(アタシも明日で18か…。もう大人なのかな?)
正直、大人になるって実感があまりない。
18って法律上では未成年だけど、もう立派な大人なのだろうか?
18に見えないくらい大人っぽい人もいれば、子供っぽい人もいる。
18とは思えないくらいしっかりした人もいれば、頼りない人もいる。
18で社会に出ている人もいれば、学校に通っている人もいる。
18で子供を育てている人もいれば、親の金で生きている人もいる。
18は立派な大人なのだろうか?
(まぁ、18になった途端、大きく変化する事もないだろうし、どうでもいいけど…。)
アタシは手に持ったホットコーヒーをさらに握り締める。
(しかし、今日は一段と寒いな…。)
しばらくすると、遠くから見慣れた車が少しずつ近づいてくる。
その見慣れた車の姿はやがて大きく見え、ゆっくりとアタシに近づき、そして目の前で停車した。
停車と同時に助手席の窓が開き、運転席から声がかかる。
「おう、待ったか?」
「いや。アキ、意外と早かったね。」
「早く乗れよ。今日はユウの誕生日の前夜祭だ。」
アタシは、アキに促されて車の助手席に乗り込んだ。
車がゆっくりと走り出す。
「アキ、よくユウの誕生日覚えてくれてたね。」
「当たり前だろ。確か、誕生日を教えてくれたのは、初めて出会った次の日だったな。」
アキはそう言いながら口にくわえているタバコに火をつけた。
いつものメンソールのタバコ。
「そうそう、初めて会った時、ユウをいきなり公園に引っ張って、次の日も来いと言うもんだから…。」
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