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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第65回
65
高橋は父親にどのような用事で来たのだろう。
(仕事がうまくいっているので、挨拶に来たのかな?)
この時アタシはまだ、その程度にしか思っていなかった。
久しぶりに高橋が自宅を訪ねてきてから、最初の日曜日になった。
ミキは友達と買い物に行くと言って出かけていった。
「ユウも一緒に来ない?」
「イヤだよ。休みの日まで双子だから一緒って思われたくないもん。」
「そんな事、どうでもいいのに…。」
アタシは今日はバレーボール部の練習もないし、特に友達と遊ぶ約束もしていない。
お金もないし、今日は家から出ない!ときっぱり決意して、服も着替えず、パジャマ姿のまま遅めの朝食を取っていると、やがて父親が台所にやってきた。
「ちょっと…、出かけてくる。」
「そう…。この前の高橋さんの事ね…。」
「あぁ、この前来てもらった時には、ちょっと会えなかったからね。こちらから会ってくる。」
「高橋さん…、何の用事だったのかしらね。」
(高橋?マリのお父さん…。確かにこの前家に来ていた。わざわざお父さんが会いに行くなんて、何かあるのかな…。)
「ユウ、いくら休みだからって、服くらい着替えろよ。」
父親は微笑みながらそう言い残して玄関に向かった。
「いってらっしゃーい。」
(これは、家にいる場合ではない。)
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