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500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ
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作者:北村 裕志
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第60回
60
「お願いします!お願いします!!」
高橋はただひたすらに頭を下げて訴えている。
高橋の叫び声だけが部屋中に響く…。
しばらくして、父親は、高橋の様子を見守りながら静かに口を開いた。
「人は…、人間は…、助け合っていかないと、生きてはいけないものです。」
「えっ!?」
高橋は、涙でぬれた顔を上げて父親の顔を見た。
父親はそんな高橋に向かって少し微笑みながらゆっくりと話しかけた。
「人は…、助け合うものです。いくら…必要なのですか…。」
(お父さん…。)
「ありがとうございます!!ありがとうございます!!」
高橋は涙が止まらない顔をまた、床に付くぐらい下げてお礼を言い続けた。
「いくら…、必要なのですか…。」
「とりあえず…、機械を買う、あ、頭金だけ…さ、先に必要ですので…、ご、500万ほどあれば…。」
高橋は恐る恐る父親に伝えた。
「500万あれば、従業員の方も救われるのですか…?」
「はい、十分です。もちろんお金は返しますから!」
(お父さん、いくらなんでも、500万は多すぎるよ…。)
ミキは父親が高橋にお金を貸そうとしているのは、声だけで判断できた。
「分かりました。ただ高橋さん、500万はあまりにも大金です。今すぐに用意できるものではない。1週間待っていただけますか?」
「…わかりました。ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!!本当にありがとうございます!」
高橋は何度も何度も頭を下げながら、それでも最後は笑って帰って行った。
アタシが部活動から戻ってきたのは高橋が帰ってから暫く経ってからの事だった。
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