Warning: Unknown: Unable to allocate memory for pool. in Unknown on line 0 Warning: session_start(): Cannot send session cache limiter - headers already sent in /var/www/htmlreviews/author/12272/12099/59.htm on line 4 500万とメンソールと17歳のアタシ
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作品名:500万とメンソールと17歳のアタシ 作者:北村 裕志

第59回   59
「実は…、つい最近…、私が現在持っている印刷機よりも数倍も生産性が上がる機械が出まして…。
ある大口のお取引先様より、その機械を導入するならば、大きな契約をしてもよいと言われているのです…。
しかし、私にはとてもじゃないが新しい機械を買うお金などない。
でも、この大きな契約を成功させれば何とか我が社も少しは立ち直る事が出来そうなんです。」


(マリのお父さん、大変なんだね…。)


ここまで話して高橋は少し話すのをためらった。


どうやら、言いにくい事があるらしい。


父親は、ただ黙って高橋が話し出すのを待ち続けている。


静かな空間の中で、高橋の息遣いだけがかすかに響き渡る。


しばらく、高橋は下を向いたまま黙っていたが、覚悟を決めたのか顔を上げ一気に話し出した。


その顔は紅潮し、涙が流れている。


「無理なお願いだとは分かっています!こんな事をお願いするのはお門違いかもしれません!
ただ……、ただ……、自治会長様は大企業に勤めていると言う事をマリから聞きまして…。
あの……、こ、この高橋に…、少しで結構です!
お、お金を貸しては頂けないでしょうか……?
お、お願いします!
必ずお金は返します!
絶対にお金は返しますから!
お願いします!!」


高橋は土下座をしたまま、泣きながら父親に向かって訴えた。


その必死さは、隣の部屋で聞いているミキにも十分すぎるほど伝わっていた。


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